農業管理を双方向クラウドで

 パナソニックはスマートフォン、タブレット、パソコンなどの端末を使って、農業協同組合、農業生産法人、流通販売組織などの農業組織と生産者を双方向につなぐクラウド型農業管理システム「栽培ナビ」を1日運用開始した。
 専用サイトで農業組織と生産者が営農に関する様々なデータを記録、情報共有しながら、営農指導の効率化、品質向上・生産性向上などに役立てるための農業管理ツール。栽培情報、作業記録を「見える化」し、効率的な生産管理ができる。地域に適合した農薬をデータベース化し、農作物の安心・安全性を向上する。農業組織と生産者との円滑なコミュニケーションをサポートする。
 農業従事者の高齢化を考慮し、ICTが不得手な人でも安心して使えるユニバーサルデザインを採用した。視覚的に分りやすく、選択肢形式で入力操作が簡単。

JGAPにも対応

 農作物の輸出が増える傾向にあるため、農業生産工程管理の認証「GAP」(Good Agricultural Practice)の導入を推進している。このサービスはJGAP2016(Basic、Advance)に対応しており、日本GAP協会の推奨システムとなっている。国内出荷だけでなく輸出をめざしている農業組織と生産者も活用できる。
 2015年8月から実施した、おうみ冨士農業協同組合(滋賀県守山市)との実証実験を経て、運用・管理面で必要な便利機能を充実した。滋賀県内の農業組織へのサービス提供からスタートし、順次地域を拡大する。
 初期費用は税別10万円、月額利用料金は1IDあたり税別1980円。基本パッケージは1契約あたり30IDまで。

 農業の現場では、農業従事者の高齢化、担い手の不足、生産性の向上、安心・安全・品質向上への取り組みなど様々な課題を抱えている。そのため、これまで経験と勘で培われてきた農業経営ノウハウの継承や栽培情報を「見える化」し、農業組織と生産者が相互に連携しながら最適な栽培方法や収益向上をめざす情報プラットフォームのニーズが高まっている。