氷を漁船に直接送り込む
ニチレイ・ロジスティクス九州
長崎市場事業所（１）
ニチレイ・ロジスティクス九州（高松浩司社長）は製氷事業を長崎市場事業所と鹿児島市場事業所の２拠点（合計日産製氷能力230ｔ）で展開している。このうち規模の大きい長崎市場事業所（長崎市京泊２-10-７、太田伸俊所長、日産製氷能力150ｔ）を訪問した。
太田所長
長崎市場事業所は漁港（新長崎漁港）が目の前にある製氷・貯氷拠点。社員18名の体制。製氷量は年間４万3000ｔ〜４万8000ｔで、事業所の能力を最大限生かしている。貯氷能力1500ｔ。現在地に1989年（平成元年）竣工した。
長崎市場事業所から道路１本を隔てた借地には、漁船が頻繁に立ち寄る同社砕氷塔がある。同事業所から砕氷塔までコンベアーが伸びている。事業所内から角氷（１本140�垓�）をコンベアー搬送し、塔内機械で角氷を砕き、シューター経由で砕氷（鮮魚の鮮度保持に使う水産氷）を船内まで送り込む。その様子は、車が給油を行う感じに近い。
「現金支払いにも応じる。1000円分程度の水産氷をお願いされれば、当然それに対応する」（太田所長）。漁船が砕氷塔に近づく姿は、事業所内からモニターで確認できるため、オーダーに即座に対応できる。
太田所長は「漁船に氷を直接送り込む施設を有し、年中無休・24時間販売を行っている点が当拠点の大きな特徴」と説明する。
船積み氷や水揚げ後の鮮魚鮮度保持に使う氷、つまり「水産氷」の供給が同事業所の製氷量の９割以上を占める。（次号へ続く）
長崎市場事業所（左手）から砕氷塔までコンベアが伸びている
砕氷を送り込む姿は車に給油する感じに近い
角氷を整然と積み上げた貯表室