介護調査、家事疲れから食事の準備に変化も

 キユーピーは7月11日の「UDF(ユニバーサルデザインフード)の日」に向けて、「介護にまつわる意識調査」の結果を公表した。介護の担い手を対象に在宅介護の実態について調査・分析したもので、2017年から実施している。今回は「コロナ禍の変化」に焦点を当て、2020年11月の前回調査と比較分析した。

 ウィズコロナの生活が1年以上続く中で、「家事疲れ」から料理が簡単で長期保存が可能な冷凍食品や調理食品、日持ちする食事タイプの市販用介護食品の利用が増えていることがわかった。

コロナ禍で自己防衛意識が高まる

 調査では「半年前と比べた最近の体調変化」(複数回答、以下同)について聞いた。「運動量が減った」が16.2%で最も多かったが、「筋肉が落ちた」は前回調査の16.8%から14.4%、「足腰が弱くなった」が15.9%から13.4%、「食欲が落ちた」が9.7%から7.5%に減少するなど、身体の変化を感じる割合は軒並み低くなった。

 この調査結果についてキユーピーは「運動の機会は減りながらも、健康に気を使うなど自己防衛意識が高まっている」と分析する。

 「半年前と比べた買い物方法や場所の変化」では、「まとめ買いをするようになった」(23.3%)と「買い物の回数を減らした」(21.7%)が前回同様に高い結果となった。

 「半年前と比べた食事の準備や食事をする状況の変化」では、「冷凍食品や調理食品等の利用が増えた」が17.3%、「家事の負担が増えた」が17.1%と、前回の14.3%、15.8%からそれぞれ増えた。

レトルト介護食の利用が大幅増加

 「レトルトなど食事タイプの市販用介護食の利用回数の変化」について聞いたところ、「増えた」が35.5%と前回調査(21.3%)から大きく増加した。「やわらか食」、「とろみ調整」、「流動食」の比較では、「やわらか食」の増えた割合が35.5%で最も多かった。

 冷凍食品や調理食品の利用増加と同様、家事疲れから、「長期保存ができて家事負担の軽減にもつながる食事タイプの市販用介護食の利用が進んだ」(キユーピー)としている。

 実際、日本介護食品協議会の調査でも、2020年度のUDF生産量は前年比33%増となり、生産額も500億円を超えて大きく伸びている。

 キユーピーは市販用介護食「やさしい献立」のカップタイプを今年春に刷新し、賞味期間をこれまでの12カ月間から18カ月間に延長した。まとめ買いや長期保存、家事負担軽減のニーズに対応している。