メンチかつなど日産100ｔ、150万個
日本一の規模の高圧ボイラー式フライヤーで４段階油調
�蠅舛未筌曄璽襯妊�ングス 四国工場（愛媛県西予市）
業務用冷凍コロッケで日本一のシェアを持つ「味のちぬや」を含む�蠅舛未筌曄璽襯妊�ングス（香川県三豊市、今津秀社長）は四国工場を愛媛県西予市宇和町にこのほど竣工し、操業開始した。
４万4052�屐別鵤泳�3350坪）という広大な敷地は東京ドーム（４万6755�屐砲箸曚椣貊錙７�築面積は9368�屐別�2800坪）、延床１万5193�屐別�4600坪）と最近の冷食工場には見られない大型規模。工場敷地を横一直線にすると約450ｍ、ゴルフなら492ヤード（yd）の距離に相当する。工場棟だけでも168.9ｍ（185yd）の直線距離がある。
規模だけではない。最新の食品加工技術やノウハウを組み入れ「これまでにない生産性の高さと高品質の製品を生み出す工場」（今津社長）をめざした。
メンチかつの主原料となる冷凍肉はマイクロ波解凍機で2450ＭＨｚのマイクロ波を照射することで、原料の重量にかかわらず約７分間という短時間でバラつきなく、均一に解凍する。「短時間で解凍するので水分や旨味の流出を抑え、解凍前の新鮮な肉のうまさを保持する」（同社）。
解凍した原料肉は目視選別し、スライサーでおおまかにカット。そのままチョッパーに送り出し、ミンチにする。最後にＸ線異物検出機で異物をチェックする。
真空撹拌機は真空機能と２軸攪拌羽根を備えており、ミンチ肉や調味料などを順番に攪拌する。攪拌時間は延長してネタの結着向上、調味料等を均一分散し、ジューシー感や旨味を保持する。真空状態で攪拌すれば短時間でしっかり味を染み込ませることができる。
成型機は大型機種を導入し、２ラインで日産150万個という大量の生産量を誇る。また「安定した生産能力」（同社）を備えたのも四国工場の強み。
ちぬやＨＤ四国工場、写真の左側に同規模の工場棟が続く
四国工場全景
�．僖麒管佞陰�油調、�⊂�し→パン粉付けの
２パターンを選べる
パン粉付け工程
この後、一般消費者やＣＶＳカウンター回りのメンチかつには「蒸し」工程を経て「パン粉付け」を行う。パン粉付けの前に中ネタの肉を加熱することで微生物の発生を抑制し、最終調理時に調理不良による衛生的なリスクを抑えることができる。
商品と需要筋の要望によっては「パン粉付け」を行った後に「油調」する工程も選べる。ネタをバッターにくぐらせてからパン粉をしっかり包み込むことで、揚げた時のふんわり感、サクサクした衣の食感が味わえる。
かつ類をフライする油調工程は四国工場の大きなポイントの１つ。高圧ボイラー式フライヤーがタテに４台並び、製品は順番にフライヤーをくぐっていく。第１フライヤーではかつ類の外側を軽く揚げ、第２フライヤー以降ではゆっくり時間をかけて徐々に揚げる温度を高め、熱を中心までしっかりと通す。
通常の油調フライヤーはガスを使うことが多いが、ここでは「より熱効率の高い高圧ボイラー式フライヤーを導入した」（同社）。この優れた加熱効率と圧倒的な生産能力で四国工場の油調ラインは「日本一の規模」（同）と自信を示す。
製品はスパイラルフリーザーで急速凍結し、オートメーション化した包装ラインを通って製品保管庫に運ばれる。段ボール詰めした製品をパレットに積み上げる作業は従業員の負担が大きい。しかしロボットアームなどを導入すると大きなスペースを必要とする。そこで四国工場では器具を段ボールに当てると真空状態で段ボールを移動させる“バキュームクイックリフト”を採用した。「これで余計な作業スペースが不要となり、誰でも簡単に、しかも作業負担の少ない動きで段ボールをパレット積みさせることができる」（同社）。
品質管理、セキュリティなども最新技術と設備を導入して万全を期している。
主な生産品目は�．瓮鵐舛�つ（日産30ｔ×２ライン、日産100万個＝２シフト）、�△気気潺侫薀ぁ米�産29ｔ×２ライン、日産125万個）、�７椶�ら揚げ（日産18ｔ×１ライン、日産500g×３万6000袋）、�い修梁礁�調製品（日産30ｔ×１ライン、日産50万個）、以上計６ラインで日産107ｔの生産能力を持つ。
祝賀会で中央今津社長、右味のちぬや松村社長、
左北海道ちぬやファーム大麻社長
７月下旬工場現地で開催した内覧会には工場誘致を熱心に働きかけた愛媛県の中村時広知事をはじめ県議、地元市長、市議のほか、主要販売先・取引先企業らから多数が参加した。当日夕刻から松山市内のホテルで開催した祝賀会では施主の今津社長から建設に尽力した今川建築設計事務所の市濱克明社長、地元の�螳豕楾�務店の興梠安社長と前川製作所の前川真社長に感謝状を授与した。
これに対し、一宮工務店の興梠社長が代表し「無事竣工し、５月に引き渡しを終えた。今川設計事務所はちぬやグループの本社物流センター増築、北海道の原料倉庫新築なども担当しており、食品の安全安心を基にした考え方を今回も取り込んで実現した。新工場を最大限活用して発展を祈念する」と謝辞を述べた。