マグロの町・三崎に大規模太陽光パネル

 マグロ加工・販売の三崎恵水産(神奈川県三浦市、石橋匡光社長)はこのほど社屋に580枚の太陽光パネルを設置し、電力消費量の約20%を自社発電に切り替えた。「50年先の食卓にも、旨いまぐろを。」をスローガンに掲げ、環境問題やSDGs(持続可能な開発目標)への貢献をめざす。

東日本大震災での苦労を教訓に

 同社が初めて太陽光発電を導入したのは2012年3月。本社の社屋屋根に10kwのソーラーパネルを設置し、発電事業をスタートした。

 導入の背景には2011年の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故と、その後の計画停電がある。停電中はマグロを保管する超低温冷凍庫が開けられず、加工場の電動ノコギリも使えなかったため、業務に大きな支障が生じた。

 「日頃いかにエネルギーを使用しているかを考えさせられ、環境やエネルギーの問題に真剣に取り組むきっかけになった」(同社)。

 石橋社長は自宅にもソーラーパネルと蓄電池、太陽熱温水器を導入している。太陽光で発電・蓄電した電気のみで生活するなど、私生活でも“サステナブル”を実践し、その意識が社員にも浸透するよう試行錯誤を続けている。

 石橋社長は「水産業界は、全体的に環境への取り組みが進んでいるとは思えない。1社でも多く、アクションに踏み出す企業が増えることが望ましい。海や地球環境に関わる水産業者として社会とSDGsに貢献したい」と語る。

     社屋に580枚の太陽光パネルを設置した。発電量は200kwに相当する

「50年先の食卓にも、旨いまぐろを。」をスローガンに掲げ、環境問題の解決に積極的に取
り組んでいる