九州経済産業局は地場の中堅・中小企業による環境エネルギー関連分野への参入や新規事業の展開を加速させるために、保有する技術力やサービス・商品化について調査し、報告書にまとめた。この分野のマーケットは大企業中心に展開しているが、報告書では「ビジネスモデル」を紹介するとともに、「政策支援組織による必要な取り組み」について提言している。
同産業局がとりまとめたのは、「九州における低炭素技術及び低炭素関連ビジネスの市場形成調査報告書」。調査は九州での省エネ・低炭素化のニーズとシーズを把握するために、企業の取り組みの現状や省エネ・低炭素ビジネスに関わっている地場中堅・中小企業に対してアンケート調査やヒアリング調査を実施した。
また、九州を中心に中堅・中小企業のビジネスにおける市場環境や、電気・照明、空調・給湯などビジネス展開の現状について分析している。
これらの結果を踏まえ、省エネ・低炭素ビジネスの先進事例を紹介。域外大手企業(東京ガス)とタッグを組んで新市場を開拓した興電機製作所の「大手企業との連携」や、既存の防水工事分野の技術を活かして、遮熱塗料と薄膜太陽光発電パネルと組み合わせた「クリーンルーフ」システムを展開する宮防の「他分野への展開」をはじめ、「大手企業が参入しにくいニッチ分野での展開」、「研究開発や販売に特化した展開」、「中堅・中小企業間の連携による展開」などを取り上げている。
今後、必要となる取り組みに「ユーザー側への省エネ関連機器・設備の導入支援」、「地場中堅・中小企業の優れた技術力の情報発信」、「シーズ側へのビジネス関連情報の提供」、「企業間マッチングの実施」、「販路拡大に向けた支援」を挙げている。