ＡＩで飛翔昆虫を解析、防虫対策をサポート
飛翔昆虫のモニタリングシステム「Pest-Vision」
防虫防鼠コンサルティング商社の環境機器��（大阪府高槻市、片山淳一郎社長）は、ＩｏＴとＡＩ技術を使ってねずみや虫を24時間365日監視する遠隔モニタリングシステム「Pest-Vision（ペストビジョン）」シリーズを食品工場向けに提案している。
シリーズ製品の中でも防虫対策に効果的なのが「ライトトラップ（捕虫器）付きモニタリングシステム」。捕獲した飛翔昆虫の撮影データをもとに、ＡＩ解析エンジンが数と種類を自動分類するため、昆虫データの解析・判定の時間を大幅に短縮して防虫対策を検証しやすくする。
正式発売はこれからだが、デモ機を導入した食品工場ではすでに成果をあげているという。
防虫管理で最も重要なのが「昆虫モニタリング」。これは補虫器を使ってどのような昆虫が、いつ、どこに、どれだけいるのかを把握する生息調査だが、通常は捕獲した虫のカウントや判定は高度な専門知識を持った衛生管理会社のスタッフが行う。判定結果から報告書が出るまでに数週間から1カ月以上かかってしまう場合もある。
昆虫の増加傾向から防虫対策を検証
環境機器が開発したモニタリングシステムは、ウェブカメラで撮影した捕虫器の画像をクラウドサーバーにアップロードし、クラウドサーバに搭載したＡＩ解析エンジンが虫の数と種類を即座に判別する。
検出結果はウェブ画面からリアルタイムで確認できるほか、カメラは一定間隔で撮影し続けるため、時間の差分表示による増加傾向を把握して、防虫対策を検証することが可能になる。
ある現場では時間単位のデータから虫の捕獲数が多い時間帯を特定し、原因を探ったところ、荷物の搬出入でシャッターが開いている時間帯だったことを突き止めた。そこで防虫カーテンを導入して侵入を防ぐことに成功した。
モニタリングシステムには、捕獲した虫の数が設定した水準を超えるとメールでアラーム通知する機能を備えており、タイムリーに駆除作業を行うこともできる。昆虫はユスリカをはじめ20種の判別が可能。種類は順次増やしていくという。
同社は1973年創業。業務用防虫資材の販売と同時に、害虫防除専門業者向けの講習会・セミナーを年間100回以上開催し、新しい情報を提供する。スタッフには大学・大学院で昆虫学や薬学を専攻した人材を採用し、専門知識を生かした商品開発にも取り組んでいる。
「Pest-Vision」の特長はユーチューブ動画で紹介している。閲覧は下記ＵＲＬから。https://www.youtube.com/watch?v=DJar_gyWLTE （Ｒ型・Ｆ型） https://www.youtube.com/watch?v=xg9LSTcETis（Ｓ型）
「Pest-Vision」の概要図、ウェブカメラで撮影した画像データはクラウドサーバーにアップロードし、ＡＩ解析エンジンが捕獲した虫の数と種類を自動分類する