“2個乗り”エラー抑える重量選別機

 アンリツ産機システムは重量選別機の新機種や、デュアルエナジーセンサを搭載したX線異物検出機、生産ラインの監視と診断に役立てる総合品質管理・制御システム「QuiCCA」などを出展する。

 重量選別機「SSVシリーズ オートチェッカ」の新機種は2個乗り対処の特許技術「SMF」を搭載。マルチスレッドフィルターによる最適処理で2個乗りエラーを抑え、重量選別の精度を高めた。
 通常の質量計算ははかりで検知した信号のうち、安定した区間の信号をフィルターで処理している。従来の単一処理では、2個乗りが発生して測定区間内の波形が乱れた場合、測定不能と判断し、2個乗りした両方の計量品をNG排出していた。

金属検出部付オートチェッカ

 新機種ははかり分解能などの向上に合わせて信号処理方法を一新。信号波形に対して複数のフィルターを用いる並列処理が可能になった。そのため、2個乗りが発生した場合、測定区間の短いフィルターを適用して質量値を計算し、強制的にNG品とすることなく、適正な質量判定を行なう。
 また、このオートチェッカに金属検出部を搭載した機種を今春開発した。コンパクトなサイズながら、高速・高精度な質量検査と高感度な金属検出を実現した。操作性もシンプルで、状況をすばやく確認できる。

骨の検出感度が大幅に向上

   KD7416DWZ

 X線異物検出機「KD74シリーズ」に食肉中の骨の検出感度を大幅に向上させた新機種「KD7416DWZ」を加えた。
 1回の撮影で輝度値の違う2つの画像を取得できるデュアルエナジーセンサを搭載。この2つの画像を独自の処理で合成することで、食品が重なり合っている部分や撮影画像の輝度が濃い部分の影響を抑えることができ、検出感度が大幅に向上した。シングルエナジーセンサタイプでは検出できなかった異物も検出できるようになった。
 特に骨密度が低い鶏肉や商品が重なりやすいハム・ソーセージなどの異物検査に適しており、厚さ40mmの鶏肉の場合で1mm厚の骨を検出できる業界最高水準の性能を実現した。

制御システムで今後の対策練る

 同社は食品工場の生産ライン向け総合品質管理・制御システム事業を強化している。専用ソフト「QuiCCA」は既存システムにビデオカメラを接続して録画する機能を新たに加えた。過去の記録や現在の状況、今後の課題などユーザーの生産ラインをサポートする。
 生産・検査機器の測定データや動作来歴を自動的に記録する一元管理や生産状況のモニタリング、異常要因の分析や将来予測など生産に関する問題点を解析する機能を充実させ、手書きの記録のわずらわしさや不確実性を解消し、何かあったときのクレーム対応も容易にできるシステムを提案する。
 個体識別とビデオカメラによる、より高度な新機能により、2次元コードやバーコードによる個体管理を可能にし、機器の前段部、あるいは後段部にビデオカメラを接続して検査データと紐付けて録画することが可能となった。
 検査品の搬送状況を録画することで、NG品が多発するなど異常状態の原因分析に役立てられる。異常時の映像を確認することで、前段から流れてくる際に何か問題がなかったかの検証が可能。問題があれば搬送状況を改善することで不必要なNG判定を避けられ、歩留まりの向上、適性化が図れるようになる。

食品工場の生産ライン向け総合品質管理・制御システム「QuiCCA」

システム構成例