紫外線の手袋除菌装置に新製品、半袖制服に対応
除菌装置メーカーの�螢錙璽�ソリューション（長野県辰野町、荻原真二社長）は衛生手袋を紫外線で除菌する「ソルパット」シリーズから半袖の制服にも対応できる新製品の開発を進めている。「不活性化くん」と命名し、年度内のリリースをめざす。「ソルパット」は手袋をつけたまま除菌できる世界初の専用装置で、わずか３〜５秒間でノロウイルスや黄色ブドウ球菌などの食中毒原因菌を死滅させる。
2016年の発売以来、食品工場を中心に550台以上が導入されている。菌やウイルスに汚染された手袋が原因とみられる食中毒が発生したことやコロナ禍の追い風もあり、導入件数を着実に伸ばしている。
今回の新製品は半袖の制服を着用することが多い外食チェーンや介護施設、歯科医院などをターゲットにした。従来製品は長袖の制服に対応し、半袖の場合は安全のために腕に保護カバーを装着する必要があった。提案先から「半袖にも対応できる製品はないか」という声を受けて開発に着手した。
半袖制服に対応した「不活性化くん」、特許技術の抗菌ゴムカバーで紫外線の影響を防ぐ
荻原社長「年間販売3000台をめざす」
最大の特長は装置の投入口に特許技術の抗菌ゴムカバーを備え付けたこと。これによって紫外線の影響を受けるのを防ぐ。装置内部は鏡面仕上げのステンレスを採用し、反射光率を高めて手袋にムラなく照射できるようにした。除菌効果は従来製品と変わらない。紫外線を１秒間に8000μワット照射し、ノロウイルスは４秒間で不活化できる。
メンテナンスフリーも大きな特長。ランプに自動車用電球メーカー大手、スタンレー電気の冷陰極型ＵＶランプ(UV-CCL)を採用した。従来製品のランプは純正だが、年１回の交換が必要だった。UV-CCLは長寿命、耐久性の高さが売りの紫外線ランプで５年間のメンテナンスフリーを実現する。
新製品がターゲットとする業種業態は衛生管理が厳しいうえに市場規模は大きい。手袋除菌装置が受け入れられる素地は十分ある。荻原社長は「販売目標は年間3000台」と鼻息が荒い。