食品関連６展、青海展示棟で11日から
食品Ｅコマース展は国内初
今年は青海展示棟で開催、350社以上が出展する
食品に関連した６つの専門展示会が東京ビッグサイト青海展示棟で11〜13日同時開催される。�ヽ惺擦簓賊 �高齢者施設の大量調理をテーマにした「フードシステムソリューション」、�⊃�の安全・安心がテーマの「フードセーフティジャパン」、��食品工場の設備改善を提案する「フードファクトリー」、�た�品物流に特化した「フードディストリビューション」、�ザ罰ν０譴料攤收瀏�の専門展「ＳＯＵＺＡＩ ＪＡＰＡＮ」、��食品のＥコマースに焦点を当てた国内初の「フードｅコマース」。青海展示棟に356社が集結する。
三浦工業、高洗浄性の真空冷却機
三浦工業の真空冷却機
「フードシステムソリューション」では、三浦工業（愛媛県松山市）が国内シェアトップの真空冷却機を出品する。
真空冷却機は槽内の圧力を低下させることで、加熱された調理物の水分蒸発を促し、気化熱で温度を奪うことにより冷却する。短時間で冷却できる利点を持つ。
標準処理量120〜140kgのバッチタイプ「ＣＨシリーズ」はＨＡＣＣＰ対応型でサニタリー性が高い。手洗いしにくい真空配管や冷却槽内ノズル部分を80℃で５分相当以上、蒸気で直接加熱する真空殺菌モードを搭載した。
洗浄性と作業性向上のため洗浄ガンを標準装備し、ドア裏スペースを広く設けることでドア裏側の洗浄も簡単に行えるようにした。
さらに、「ＰＩＤ徐冷」と呼ばれる制御機能を搭載した。従来の真空冷却機では冷却する調理物に適・不適があり、限られた調理物のみの冷却に使用されていたが、ＰＩＤ徐冷は煮物・液物の冷却、吹きこぼれをおさえた冷却を可能にする。ブース番号はＤ５-08。
クレオ、野菜の洗浄殺菌装置
クレオの炭酸次亜水生成システム
「フードセーフティジャパン」では、食品工場の容器洗浄機でシェアトップのクレオ（東京都中央区）が「炭酸次亜水生成システム」と「野菜<原体>浸漬殺菌機」（特許出願中）を展示する。
野菜の１次殺菌や２次殺菌で効果を発揮する。健康ブームを背景にサラダの購入金額は堅調に推移しており、同社の導入実績もコンビニベンダーやカット野菜工場などに広がっている。
炭酸次亜水生成システムは電解タイプと違う希釈・混合タイプのため、�…稠仕戞�短時間で殺菌力を発揮、��濃度、pHの調整幅が広い、�Ｅ填砲覆匹慮魎紘�品が発生しない――などのメリットが期待できる。
殺菌水の使用は安全性がカギになるが、炭酸次亜水生成システムは「緩衝作用」と呼ばれる炭酸ガスの化学作用でpHが5.0以下にならないため有毒な塩素ガスは発生しない。従来の次亜塩素酸を塩酸で希釈するタイプに比べ、安全安心で使いやすい。ブース番号はＪ３-01。
アンリツ、残骨検査に特化したＸ線検査機
アンリツインフィビスのデュアル
エナジーセンサ搭載Ｘ線検査機
「フードファクトリー」では、検査機メーカーのアンリツインフィビス（神奈川県厚木市）が「デュアルエナジーセンサ搭載Ｘ線検査機」を出品する。
鶏胸肉、鶏もも肉の残骨を高感度で検知する。デュアルエナジーセンサは１回のＸ線照射（撮影）で濃度の違いによる２種類の透過画像を取得する。ポイントは、この２種類の透過画像を特殊な画像処理技術で差分処理し、残骨の部分を鮮明に抽出すること。従来機では検知が難しかった細かい残骨も、デュアルエナジーセンサと画像処理技術によって発見できるため、�〇長�除去の確率を高めたことで消費者からのクレームが減る、�∪催戮�向上したことで誤検知が少なくなり歩留まりが改善される――といった効果が期待できる。
ある畜肉加工メーカーは、このＸ線検査機を使ってメンチカツ用のひき肉の残骨検査を行っているが、残骨によるクレームが減少しただけでなく、原料肉を以前より太くひいても残骨クレームは発生していないという。肉粒感のあるメンチカツをつくることができ、おいしさ向上にもつなげている。アンリツインフィビスのブース番号はＨ５-03。
ｕｐｒ、腰の負担を軽減するアシストスーツ
「フードディストリビューション」では、パレット・物流機器の販売レンタル会社、ユーピーアール（東京都千代田区）が作業時の身体的負担を軽減する「アシストスーツ」を出品する。導入コストを抑えた２万円台のものからモータータイプのものまで幅広く取り扱っており、最適なアシストスーツを提案する。
オムロン（東京都港区）はサイバーダイン社と協業を進める作業支援用ロボットスーツ「ＨＡＬ腰タイプ作業支援用」を展示する。ＨＡＬは腰の負担を楽にする装着型のロボット。人が体を動かす際に脳から筋肉へ発信する生体系の信号を読み取って動く。物流現場での作業環境の改善や労働災害防止への活用が期待される。
アサヒ装設、排熱回収型の省エネフライヤー
アサヒ装設のガス式フライヤー「ＤＯＢＣ型」
「ＳＯＵＺＡＩ ＪＡＰＡＮ」では、加熱調理機メーカーのアサヒ装設（石川県白山市）がＯＭＣ（オイルミストキャッチャー）付きのガス式フライヤー（DOBC-44A-X型）と、過熱水蒸気オーブン（BSCE-300Z1-100型）を展示する。
ガス式フライヤーは排熱を回収して再利用することで熱効率を高めた省エネ式フライヤー。排熱を熱交換器で回収することで、300度℃あった排気温度が100℃以下に抑えられ輻射熱が激減。作業環境の向上につながる。ＯＭＣは排気を100℃以下に抑え、油煙を効率よく捕集して室内の油汚れを低減する。
過熱水蒸気オーブンは高温短時間調理が可能。食材のビタミンを破壊することなく、うま味成分の流出も防ぐ。野菜は色鮮やかに、魚や肉はジューシーに仕上がる。スピーディな調理はコストダウンや生産性向上につながる。近年は食品機械も衛生性が重要視される傾向にあるが、同機はオプションでブラシ洗浄や超音波洗浄、ＣＩＰ洗浄などを選択でき、洗浄性を高めた。
食品ＥＣの普及に向け初開催
会期中は４万8000人の来場を見込んでいる
「フードｅコマース」は食品ＥＣの普及促進に向け、国内で初めて開催する。ＥＣサイト構築やＷＥＢ受発注システムのほか、食品提案、コンサルティングが集まる。また、食品ＥＣのサブスクリプションやＢtoＢＥＣの成功事例をテーマにしたセミナーを実施する。オイシックス・ラ・大地の奥谷孝司執行役員は、同社が実践するサブスクリプションモデルについて紹介する。
食品関連６展示会の来場者は給食業務の管理責任者や食品工場の設備・品質管理担当者、製・配・販の物流責任者、惣菜ベンダーの経営者ら多岐にわたる。また、９月は次年度の予算編成時期でもあり、教育委員会や市区町村担当者の来場も多い。会期中は４万8000人の来場が見込まれる。