日本通運グループの琉球物流（沖縄県那覇市、大城毅社長）は、那覇発香港向け海上リーファー冷凍混載サービスを12月から開始する。那覇・香港間の海上輸送日数は４日間、那覇倉庫から香港引取りまで10日間。隔週で運行する。
日本通運はこれに合わせて、内航船を利用した東京・博多発那覇向けのリーファー冷凍混載サービスを始める。東京発那覇向けは、東京持ち込みから配送まで３日、週３便。博多発那覇向けは博多持ち込みから配送まで２日、週３便。
海上輸送は航空便より約40％のコスト減になると同社は説明している。
従来、沖縄から香港まで小ロットの冷凍貨物を輸送する場合、�ー腓貌畴胴舛�らコンテナ単位で輸出、��航空便を利用、�Ｋ椽�に一旦移送し、他の冷凍貨物と積み合わせて混載サービスを利用――のいずれかの方法だったが、「コストが高い、輸送日数が長い、貨物がダメージを受けるという課題があった」（日本通運）という。今回の海上リーファー冷凍混載サービスは、沖縄から直接コンテナに積み合わせて香港まで海上輸送するため、沖縄発冷凍貨物の課題を解決できるという。
同サービスは、琉球物流が那覇市に建設中の３温度帯倉庫を発着コンテナフレイトステーションとして活用する。12月から暫定開始し、来年１月から本格稼働する。これで東京、福岡発の貨物を同サービスにつなげることも可能になり、コスト削減やリードタイム調整などが可能になるとしている。
沖縄県は県産加工食品の輸出を拡大するため、アジア各地の食のし好を調査する一方、同県内の食品メーカーの生産を支援している。具体的には、アグー豚の輸出や沖縄食材を用いた日本料理店への展開を進め、県産食材の輸出は年々拡大している。今後、冷凍食品も増加することが見込まれている。ただ、食品の輸出は輸送手段をはじめ、コスト、リードタイム、品質管理に課題があり、多様な輸送サービスが沖縄県に限らず求められている。
同社はこれまで海外向けに、東京、大阪、神戸、九州を発地として香港、バンコク、シンガポール、マレーシアへのリーファー凍・冷蔵混載サービスを展開してきた。今回は香港向けの発地として沖縄を加え、日本の食品輸出・輸送をサポートする。