極洋グループの水産加工メーカー、新東京フード(本社東京)は、特許技術を使うことで噛む力が弱い人でも食べられる「金目鯛の煮付け」など冷凍調理品を開発した。新スマイルケア食「うぇるかむ」ブランドで2月末から施設向けに発売する。今夏には在宅向けの販売も予定している。
うぇるかむは、「WELL(良く)」と「噛む」を組み合わせた。生涯、流動食に頼ることなく、口から食べられるようずっと元気でいてほしい、という願いを込めた。
同社ヘルスケア部の高橋一正部長は「当社は大手コンビニ向けに魚製品を製造しており、『もっと柔らかく』などとさまざまな要望に応えることで鍛えられた。積み上げてきたノウハウを活かし、ミキサー食やムース食とは異なる、調味液や加熱時間をうまく組み合わせた特許技術で柔らかくしているため、魚のうまみが損なわれていない」と品質面の高さをアピールしている。
金目鯛の煮付けのほか、いか・かれいの煮付け、銀鮭の味噌焼き・幽庵焼きといった煮魚・焼き魚に加え、煮こごり風に仕上げた製品をラインナップしている。生産はいずれも福岡の自社工場。
在宅向けのやわらか食・介護食は通販が主体で、店頭販売はまだ定着していない。そこで在宅向けの販路開拓について高橋部長は「デイサービス施設で大量購入してもらい、利用者に配布する形もあるので、これを活用したい」と語っている。
いかの煮つけ