工場へ省エネ機器導入補助金、15年度は93件採択

 環境省は国内の事業所(業務ビル、工場など)に対し、エネルギー起源CO2排出を抑制するための、先進的で高効率な低炭素機器等の導入を支援する補助金として、2015年度の公募を実施し、93件を採択したと発表した。
 同事業は、同省が業務部門・産業部門の温室効果ガス排出量を大幅に削減するため、12年度から、事業場・工場を対象に「先進対策の効率的実施による二酸化炭素排出量大幅削減設備補助事業」(ASSET事業)として実施している。
 費用効率性の高い事業を採択するとともに、市場メカニズム(排出枠取引、外部クレジット利用)を活用することで、CO2排出量の大幅削減を達成することを目指している。12年度の参加者は合計で年間5678t‐CO2、1t‐CO2あたり9516円の費用の削減を達成した。

食品工場でも制度活用

 同事業は先進的で高効率な低炭素機器の導入に取り組む事業者が、機器の導入などを加味した適切なCO2排出削減目標を設定。低炭素機器の導入と併せて事業所の運用改善も行いつつ、参加者全体で排出枠を調整し、補助事業全体で確実な排出削減を担保。業務・産業両部門のCO2排出量を効率的に大幅削減するため、環境大臣が指定する「Best Available Technology:利用可能な最良の技術」を用いた設備機器の導入を支援するもの。
 補助対象は国内の事業所(業務ビル、工場など)。補助額の交付額は、補助対象経費の1/3以内。1実施事業者あたりの補助上限額は2億円。
 採択件数93件の内訳は、単独(事業場)32件、単独(工場)49件、グループ(事業場)9件、グループ(工場)3件。
 食品工場はカルビーポテト帯広工場(北海道帯広市)や敷島製パン犬山工場(愛知県犬山市)、オリエンタル酵母工業大阪工場(大阪府吹田市)など13件。高効率ボイラや空冷ヒートポンプチラーの導入によるCO2削減など、各社とも省エネや環境対策を講じている。