缶詰の枠超えた“斬新”パッケージ、初披露

 中村産業は「未来に向けた新しい食卓」をテーマに、新しいパッケージ方式を生み出すシールパック社(ドイツ)のトレーシーラーで新包装形態を提案している。初披露するパッケージトレイは、缶詰ではできない電子レンジ加熱とレトルト処理ができる耐熱性を備えている。

シールパック社のオートマチックトレーシーラー「Aシリーズ」

 提案するトレーシーラーは新しい包装形態を次々と開発できる柔軟性が魅力。今年6月に開催されたFOOMAでは、トレイを皿に見立て、“食卓”にそのまま出せる包装を提案。トレイのシールをはがすだけ。
 容器はオーブンや電子レンジにも対応、皿への移し替えという家庭での手間を削減することで簡便性が高い商品となる。そのトレイを破棄しないで、再度有効活用できるよう、トレイのデザイン性にも考慮した。
 シールパック社のトレーシーラーは、MAPテクノロジーを駆使し、1台の機械でガスパックやトレースキンパックに自在に対応できるのが強み。金型を交換すれば、形状の異なるトレイにも短時間で対応できる。
 シーフードショーでは、セミオートタイプのMシリーズ、オートマチックタイプのAシリーズを展示し、パッケージングを実演する。
 「FOOMAでは来場者の関心が高く、その場で多くの意見交換ができた。今回のシーフードショーでは、その提案をさらにグレードアップさせて、より完成形に近づけていきたい」と中村剛太郎社長は語っている。

大日本印刷と共同開発したパッケージトレイ
缶詰ではできないレンジ加熱とレトルト処理が可能

 今回は大日本印刷と共同開発したパッケージトレイも初披露する。「包むだけの概念ではない、缶詰の枠を超えた新しいパッケージになるだろう」と中村社長は自信を示している。
 このパッケージトレイは、缶詰の弱点である電子レンジ調理を克服。半年の賞味期限を保てるとともに、レンジ調理とレトルト調理ができる耐熱性を備えている。酸素透過しない酸素バリアと易開封性を備えており、商品をチルド化するのも可能。長時間おいしさを保持することができる。
 このパッケージトレイはコンビニエンスストアのレジ周りの商品にも変化をもたらす可能性を秘めている。
 ベンダー工場やセントラルキッチンで加工調理したものをコンビニに供給。保存性は缶詰と同様、ロングライフのチルド商品のため鮮度を長時間保つとともに、店舗側は注文を受けてレンジアップすれば、アツアツの状態で提供できる。
 「当社が提案する包装スタイルがエンドユーザーにはこのように提供できる、ということをシーフードショーでユーザーに見ていただきたい。ユーザーも何かがひらめくはず。ユーザーが求める製品とうまくコラボレーションすることで、さらなる創造的なきっかけを生み出すことができれば」と期待を寄せている。