飛来・歩行虫の侵入防ぐ設備、ロッテのアイス工場が導入

 竹中工務店が日本エアーテックと共同開発した防虫対策設備「バグシールド」を、ロッテの浦和第6工場が新築工事で採用した。食品工場で初の適用。環境にやさしい風の力で飛来・歩行虫の侵入を防ぐ。

 「バグシールド」は、同様に日本エアーテックと共同開発した吸引捕虫機「バグキーパー」を左右に内蔵することで、シートシャッターに防虫機能を付加した設備。この「バグシールド」を搬出入口に設置することで、ファンの力で飛来虫を捕獲しつつ、シール下端から屋外に向けた空気の吹きつけにより、歩行虫の侵入を防ぐ。浦和第6工場には2台導入された。
 竹中工務店の技術研究所で行った実証実験では、飛来虫に対しては、シャッター閉鎖時の侵入阻止率100%を実現したという。実験は虫が通過しやすいよう、シャッター下端の左右隅に1cmの木片を挟んだ条件で実施した。
 このシステムは薬剤を使用しないため、人体への健康リスクがなく、環境負荷のない防虫を実現する。
 同社は「人や環境に優しい防虫対策技術を開発するとともに、独自の“防虫エンジニアリング”を展開することで、食品工場や医薬品などが抱える課題に対し、安心・安全につながる解決策を提供する」としている。
 同社の技術研究所にはユーザーを招き、防虫対策などユーザーの事例に即した最善のソリューションを見学してもらっている。

 ロッテは1964年に稼働した浦和第1工場を建て替え、国内最大級のアイスクリーム工場となる第6工場を15年4月竣工した。設計・施工全般を竹中工務店が担当した。
 このプロジェクトでは、生産性の向上を図り、生産量の増大に応えるとともに、「バグシールド」などの活用も含めたトータルエンジニアリングにより、衛生的な製造環境を構築している。

「バグシールド」はシートシャッターの屋内側左右に、吸引捕虫機「バグキーパー」を内蔵している。
飛行虫にも、歩行虫にも効果的(竹中工務店の技術研究所で撮影)