急激な経済環境の変化から3月末の決算に向けて、高値在庫の処分、いわゆる「損切り」による赤字決算が続出すると言われている。
石油や資材、原材料の急騰から一転して、価格が下落したことによるものだ。今回の損切りは、ある意味、経済的な自然災害のようなものであると言える。ある経営者は「サラリーマン時代、皆が儲かっている時に、1人で損を出すと目立つのでしまっておく。その後、皆が損した時に、目立たないようにいっしょに損失を申請する。それどころか、先々の分も考えて、余分に損を計上しておく人もいた。昔はこれが常とう手段だった」という。「赤字信号、皆で損切りすれば、怖くない」というところだ。3月期の損切り決算、どうなるのか、色眼鏡をかけて見なければならない。