日本環境認証機構(JACO)は食品安全の国際規格ISO22000の認証審査を推進している。世界で認知度の高いイギリスの認定機関UKASが日本で最初に認定した機関であり、食品関連企業の管理職経験者を配し、食品安全の組織的発展を支援している。
05年に認証活動を開始。以来、専門スタッフを順次増員させて審査を進めている。1994年に電機・電子10社と2工業会の支援で設立した背景から公害・環境問題に強く、環境ISOの認証、環境セミナーで産業界を支援してきた。2000年頃に食品に関する事件・事故が多くなり、消費者の関心が高まるなか、認証機関としての使命を実感。食品安全にも視野を広げてきた。強固な食品安全マネジメントシステムを構築し、組織のリスク管理の強化に役立ちたいという。
現在、ISO22000の取得企業は食品のサプライチェーンの中で加工食品メーカーが中心となっている。しかし、これらに原料供給している一次産業組織の取得はまだ出遅れているという。一次産業が食品安全の重要な位置を占めているという認識はますます加速する。「例えば、水産関係者はHACCPとの関係が長い。食品機械や包装機械メーカーはISO9001の取得が多い。また、健康食品や医薬品の素材を扱う企業はGMPというように一つの認証のみで済ませている」とJACOの関係者は指摘。特にPB商品の開発が盛んななか、小売や卸もISO22000の取得を遅れているとし、「PB商品の安全管理面はメーカーに頼っている傾向が強い。食品を扱う関係者として安全認証にさらに気を配る必要がある。さもなければ足元を掬われることになる」と危惧している。
機器、包装、洗剤、添加物など食品に間接的に関与する組織の活発な取得を呼びかけている。食品安全を企業の社会的責任として位置づけることで企業姿勢の理解を得られ、結果的に顧客満足を高めることができる。消費者はもちろん、取引先にもアピールできる。さらに社内体制の継続的改善を図れるものになると説明している。