名古屋工場の整備に32億円、「ポッカレモン」増産

 ポッカコーポレーションは名古屋工場を再整備し、生産能力増強と品質向上を図る。投資額総額約32億円。「ポッカレモン」を製造する新工場の建設を中心に進めるが、既存建物の耐震強化や、排水処理能力の増強にも設備投資する。
 同社は1957年にレモン飲料を製造、販売するため名古屋市で創業し、1963年には愛知県西春日井郡師勝町(現:北名古屋市)に名古屋工場を建設した。以来、レモン飲料や缶コーヒー、粉末スープなどを製造する飲料・食品工場として長年稼働してきた。
 愛知県では名古屋工場のほか、コーヒー豆の焙煎を専門とする豊田工場があるが、名古屋工場は以前から設備の老朽化と生産能力の増強が課題となっていた。
 現在、名古屋工場は缶コーヒーを年間720万ケース/年、レモン飲料を年間360万ケース/年、粉末スープを年間206万ケース/年の生産能力を持つが、主力事業である「ポッカレモン100」の成長戦略に対応するため、敷地内に3階構造の建屋を新築し、最新鋭の製造ラインを設置する。投資額約24億円。
 新しいラインには独自技術を積極的に盛り込み、品質向上を図るとともに、生産能力は現行の約7割増を見込んでいる。将来に向けた製造品目の多様化にも対応可能な体制を整える。着工は2012年8月から開始し(一部4月着工)、2013年5月の稼働をめざす。
 また、震災時の事業継続対策として既存建物の耐震を強化し、排水処理能力の増強を図るため、それぞれ約4億円の投資を見込んでいる。