蒸気ニーダに冷却機能を加え
  加熱調理から冷却まで連続運転

 産業用ボイラのトップメーカー、三浦工業(愛媛県松山市、宮内大介社長)は蒸気ニーダーNH型に冷却機能を追加した「高速ジャケット冷却仕様」を2019年4月に発売し、食品工場向けに提案している。

 蒸気ニーダーは加熱と撹拌を同時に行える生産設備として、惣菜、スープ、ソース、カレー、ジャム、あんこなどの加熱調理に使用するが、高速ジャケット冷却仕様は加熱調理後の冷却まで一貫して行うことができる。
 これまで加熱後に必要だった高温食材の移し替えや、冷却設備までの移動作業が不要となり、省人化が期待できるほか、食材ロス・火傷リスクの低減を実現した。

   蒸気ニーダーNH型に冷却機能を追加した「高速ジャケット冷却仕様」

100℃から25℃に短時間で冷却

 最大の特長は優れた冷却性能にある。新設計のジャケット構造を採用することで、NH-500SK型であれば350kgのスープを100℃から25℃まで約32分で冷却できる(同社試験条件による、グラフ参照)。

 操作は簡単で、加熱から冷却の切替え温度や撹拌速度を調理品目ごとに登録できるため、作業者はプログラムを呼び出してスタートボタンを押すだけ。加熱から冷却まで自動運転が可能な仕様となっている。

蒸気ニーダーNH 高速ジャケット冷却仕様の冷却時間比較表、NH-500SK型は350kgの
スープを100℃から25℃まで約32分で冷却できる

低温循環型冷水装置で
1℃の冷水を安定供給

 蒸気ニーダーのジャケット内に冷水を供給する装置は、最低水温約1℃で供給可能な「低温循環型冷水装置CR-J」シリーズをラインナップしている。

 CR-Jシリーズは約1℃の冷水を安定供給するために熱交換器をリニューアルしたことで、汚れや詰まりによる凍結や熱交換器のパンクリスクを低減した。
 さらにインバータ冷凍機、電子膨張弁などの組み合わせで、従来機よりも年間約16%の省エネを実現した。

 冷水は蒸気ニーダーの冷却用のほかに、野菜の洗浄や麺などの冷却に使用できる。また、パック商品などでは調理後や殺菌後の食品を冷却する冷却槽との直接循環にも使えるなど、幅広い冷水冷却のニーズに対応できる。


1℃の冷水を安定供給する「低温循環型冷水装置CR-J」シリーズの熱交換器イメージ図