拡大に伴い改革を推進
100億円の目標見えてきた
�盒狭�業 代表取締役社長 鳴田友和氏
鳴田社長
一昨年社長に就任して１年半、�盒狭�業の今期の業績はこれまでにない大きな伸びを記録し、就任時に80数名だった社員は120名近くに増え、２年後の目標も定まった。
――今３月期（58期）の業績が好調だ。
鳴田 55期から連続で売上げが伸びています。特に今期は57期の伸び率と比べてもぐっと鋭角的に伸びています。
――要因は？
鳴田 実は、明確ではないのです。結果論で言えば様々な要因が重なったからと言えるでしょう。当社はフリーザーメーカーとして創業60年弱ですが、フリーザーの更新は20〜30年で、サイクル的に更新期に入っている。冷媒も20年サイクルで入れ替わっていますから、そのタイミングが重なった。さらに、トンネルフリーザーが今までと異なる用途に使われるようになったこともあるでしょう。既存の顧客だけでなく新しいユーザーにも入りました。今期は肉、魚、冷食、惣菜とほとんど全ての業態に導入が進みました。
――２ケタ増を超えている？
鳴田 ２ケタ増は確実です。１月の時点で前年をクリアしています。
――冗談ですが、来期にとっておきたいくらいだ。
鳴田 そういう考えも若干よぎりましたけどね。サラリーマンならそう考えますが、社長としては売れる時に売るべきかと。
――長期的に見ている。
鳴田 （２年後の）60期に100億円が目標です。
――57期が60億円だった。かなりの目標だ。
鳴田 トンネルフリーザー単体の企業としては確かに厳しい目標かもしれません。
――具体的な方策は？
鳴田 今期取り組んだのが海外事業部を作ったこと。開発部も改めて作り直しました。開発は今まで担当ベースで取り組んでいましたが、今は現在の技術を応用して新しいものを作り出そうとしています。もしもの話ですが、トンネルフリーザーが熱を加える装置になってもいいし、連続蒸し器でもいいし、解凍装置に応用してもいい。既存の用途としてはもっと使いやすく衛生的にする方向性です。
――海外は？
鳴田 海外の顧客にとって今のままでは高価なので、現地の事情を調査していきます。来期の具体的導入案件も２〜３台ですが、出ています。
――昨年のFOOMAに出品した量産タイプの新製品チルドジェットを４月１日から発売する。
鳴田 次のFOOMAでは使い道を見える化して提案します。
――自然冷媒の冷凍システムはCO２直膨を手掛けている。アンモニア一次冷媒とCO２の熱交換方式のどちらに力を入れる？
鳴田 CO2直膨です。手掛けた以上は増やしていきたい。冷媒のサイクルがフロンと同じなので、これまでフロンを使っていたユーザーに理解していただきやすいということもあります。
――来期の受注は？
鳴田 前年の１月の時点に比べれば弱含みなのでハードルが上がっているのは確かです。社長就任時に80数名だった社員は120名近くになって、30名以上増えていますし、規模が大きくなっているので「ここはもう少し効率的に」とか、「ここはリスクがある」など、計画的に進めないといけません。来期は効率改善がテーマの一つです。具体的には生産性の50％改善。工場や施工・サービスは絶対に人が必要なので増やしますが、事務系は改善ミーティングを開き、「このシステムを導入したらどう変化するか」などをシミュレーションしていきます。
――昨年は鉄鋼関係など日本の製造業の信頼が揺らぐ出来事が起きた。その影響は？
鳴田 意外というのも変ですが、当社の場合はほとんどなかったですね。３〜４カ月たってから、当社が使っている材料に不具合はなかったこともわかりました。