見える化で改善への参加意識促す
中冷 (下)

 中冷の本社工場の1階ではふんわり天シリーズを製造している。2ラインあり、惣菜Aラインは少品種大量型、惣菜Bラインは多品種少量型のライン。
 豆腐にすり身を混ぜ、調味料と乱切りネギ、青ネギ、ニンジンのダイスカットしたものを和える。ニチレイフーズ向けにカニと豆腐のふんわり天も製造している。手作り感を出すために成型工程では独自の工夫があるという。
 冷凍はジャイロフリーズ。豆腐は国産フクユタカ大豆の使用をうたっている。

人気上昇中のふんわり天シリーズ

 従業員の働きぶりはきびきびとしていて、品質管理はもとより、安全確保、さらに生産性などの向上意識の高さを感じさせる。記者にはもれなく大きな声であいさつをしてくれる。工場の壁には改善活動などの様々な情報や指示が掲示されている。いくつか紹介しよう。
 途上国の子供の支援活動。ひとりからはじめ、現在ではアフリカの3人の子供に支援している。改善活動の賞金などが充てられる。支援活動を通じて社内の一体感が強まったという。
 「いいこと改善提案」。4〜10月の間に現場改善のアイデアなど65件もの提案があった。ラインごとにどれだけの提案が行なわれたか、目標ラインへの進捗度も表示される。
 「歩留り速報」。理論出来高と実績出来高を比較してkgで算出、昨年実績と目標ラインを毎日対比させているので、どの程度の歩留りアップができたか一目瞭然である。

社員から出される多くの提案書には必ず新井社長の
印鑑が押してある

 安全個人目標を書いて四半期ごとに掲示する。書かれている項目で多いのは「走らないこと」、「指差確認の徹底」などである。
 中国人の実習生。昨年9月から年に8名ずつ3年契約で受け入れている。今年8月に2期生8人が加わり、現在16名が働いている。日本語の読み書きもほぼ完ぺきにマスターし、仕事ぶりもまじめそのもの。頼りがいのある戦力になっているという。(シリーズ終わり)