10年の研究成果、特許製法で濃い口醬油完成

 ヤマサ醤油は特許取得した「重ね仕込:追い麹製法」で仕上げた濃い口醬油「ヤマサ 重ね仕込しょうゆ 本懐石」を発売した。3種類の麹を重ねて使うことで、明るく澄んだ色でありながらコクが強く深みのある味わいとなった。

「ヤマサ 重ね仕込しょうゆ 本懐石」

 銚子本社醤油研究室で10年前に研究を開始した。濃厚な醬油を作るための製法として従来から「再仕込み」製法があるが、丸大豆を主原料とすると濃厚で非常にうま味の強い醬油となるものの、色が濃くなり、鮮やかな色が失われてしまうという。
 そこで研究を重ねて考え出した「重ね仕込:追い麹製法」は丸大豆を主原料として、おだやかな香りを生み出す「ふくよか・まろやか麹」で仕込んだもろ味が十分に発酵した頃合いをみて、「芳醇・香り麹」で醸造した生醤油と、濃厚なうま味を生み出す「うま味麹」を加え、熟成を重ねる製法。「醤油は麹の種類によって特長が大きく左右する。新商品のように3種類の麹を重ねて使うことで、ふくよかな香りとまろやかで濃厚なうま味を持ち、明るく澄んだ色の濃い口醬油が実現できた」(同社)という。
 東京ビッグサイトで先月末に開催された「2010麺産業展」で披露し、麺つゆでの活用を呼びかけた。「見た目や味わいで他店との差別化が図れる」と担当者は語っている。さらに「刺身の造りや魚の煮つけ、野菜の煮物など、素材のうま味をいかした料理と好相性で、色合いや香りもよく仕上がる」(同)という。