【年頭所感】
自動化・省人化に貢献して業界発展
日本食品機械工業会 海内栄一会長

    海内会長

 我が国食品機械の昨年の販売額は、機種によって異なるものの全体では前年を若干上回る見込みだが、今後の企業経営に関しては多くの会員が厳しい見解を持っている。 

 食品業界では、食品の安全性の担保、深刻化する人手不足、低価格化、多様化する消費者ニーズ、環境対策、人口減少による国内市場の縮小など、どれをとっても重大な課題を抱えている。

 食品機械業界を取り巻く環境をみると、今年6月に改正食品衛生法が施行され、原則としてすべての食品等事業者がHACCPに対応した衛生管理の導入が義務化される。これまで以上に食の安全性が厳しく追及される時代になった。

 食品業界では深刻化する人手不足に対応するため、食品製造現場の自動化・省人化が喫緊の課題となっている。人とロボットとの協働にも注目が集まり、AI、IoT技術の援用など、まだまだ食品製造現場への導入には多くの課題があるものの、食品機械が解決すべき重要な課題と位置づけ、業界のさらなる発展の契機として、ユーザーニーズに応えられるような提案を行っていきたいと考える。

 当工業会では、食品機械の安全・衛生化の推進、国際化への対応、人材の育成などに積極的に取り組み、ユーザー業界の期待に応えていく。

 今年は6月23日から4日間「食の技、大阪に集結。」のキャッチフレーズのもと「FOOMA JAPAN2020 大阪」を開催する。43回目を迎えるFOOMA JAPANは東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、初めて大阪で開催する。インテックス大阪1〜6号館全てを使用して大阪を舞台に食の技術の進化を発信していく。「食の安全・安心」を中心課題としつつ、生産性向上や高効率化のための技術、自動化、省人化を図るロボット技術など最先端のテクノロジーと最新鋭の製品やシステムの展示を通じて、食品産業全体の一層の発展に寄与していく。

 当工業会は業界一丸となって、引き続き食品機械工業の発展と食品製造の効率化をめざし、食品製造業の皆様とともに国民の食生活の安定的向上のため、その責務を果たす。