新中計を策定、設備投資を相次ぎ発表

 セブン&アイ・ホールディングスは新中期経営計画(2021〜2025年)を策定し、1日公表した。このほど取得した米国CVSのSpeedway LLC社との統合シナジー発揮をグループ成長の推進力に位置づけ、国内CVSでは小商圏化に伴うニーズの変化に合わせた商品・売場づくりによる再成長軌道への回帰を図る。

 また、スケールメリットを活かした食品の調達・製造などのグループ食品戦略、商圏に合わせた店舗づくり等の大型商圏拠点戦略に重点を置く。

グループ共通インフラの食品工場を建設

 セブン&アイ・ホールディングス子会社のPeace Deli(ピースデリ)は親会社が発表した中期経営計画に基づき、グループ戦略の一環であるグループ食品戦略を推進するセントラルキッチンとプロセスセンターを併設した食品製造工場の建設に向けて土地売買予約契約を締結した。ネクストコア千葉誉田(千葉市緑区)に建設し、23年度中の稼働を予定している。

イトーヨーカ堂・ヨーク・シェルガーデンの首都圏店舗を中心にグループ共通のインフラを構築し、高品質で効率の良い商品供給体制の実現を図るとともに消費者の利便性の向上や食の新たなニーズに応える。

ラストワンマイルを強化

 グループのラストワンマイル施策の一環として「イトーヨーカドーネットスーパー新横浜センター(仮)」を神奈川県横浜市に23年春に開設する。

 近隣のイトーヨーカドー約30店舗の配送エリアと同センターから約30km圏内を配送エリアとする「イトーヨーカドーネットスーパー」の大型新拠点となる。

 大型センター化でますます拡大するネットスーパーへのニーズに対応するとともにグループの拠点としてセブン-イレブンでの留め置きや受け取りロッカーの設置拡大による受け取り拠点の多様化等のテストを実施し、さらなる利便性向上も図っていく。

 セブン&アイ・ホールディングスは新中計の施策を着実に実行し、2025年度の財務目標としてEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)1兆円以上、ROE(自己資本比率)10%以上、EPS成長率15%以上をめざす。

     「イトーヨーカドーネットスーパー新横浜センター(仮)」のイメージ