飲食店の無断キャンセル（Ｎｏ Ｓｈｏｗ）問題について、経済産業省が昨年立ち上げた有識者勉強会は対策レポートをこのほどまとめた。予約をしていたにもかかわらず、その日時になっても店に連絡をしない、または店の連絡を無視して来店しないのを呼ぶ。国内の被害額は年間2000億円に上り、１〜２日前の直前キャンセルまで含めると被害額は1.6兆円に及ぶという。一度の無断キャンセルで飲食店を閉店に追い込むこともある。
レポートでは100人分の食材が無駄になったり、アルバイトの人件費が損失になったりした事例を紹介し、無断キャンセルを防ぐことで、�‐暖饉圓悗陵�益還元として飲食店への予約が容易になるほか、原材料のグレードアップやサービス水準が向上する可能性を指摘した。
また、��飲食店の利益還元として、原材料やサービス水準の向上による顧客獲得、最新設備機器の導入による調理品質の向上を挙げ、�０�食業従事者への利益還元では従業員給与への充当、最新設備機器の導入による労働時間の削減を示した。
損害賠償については債務不履行や不法行為に該当するとして、損害賠償請求ができると明記した。その場合、発生した損害額の算定や適切なキャンセルポリシーの設定、損害額の算定が必要とした。賠償請求額はコース予約の場合全額、席のみ予約の場合は平均客単価を参考に算定できると説明している。
飲食店ができる防止対策として、ＩＴシステムを活用した予約再確認の徹底、客がキャンセル連絡をしやすい仕組みの整備、キャンセルポリシーやキャンセル料の目安明示、事前決済や預かり金（デポジット）の徴収の導入などを挙げている。海外の取り組み例も併せて紹介している。