4月1日付で社長になった。ミキサー専門メーカーとして、あらゆるミキシングプロセスに対応している関東混合機工業は、3年後創業100年を迎える。「長く続けてこられたことを尊重し、継承したい」と新社長。一方、事業を存続させるため、国内外の動きに敏感に対応しなければと決意を新たにする。
林社長
――この4月社長になった。意気込みを。
林 社長交代があったからといって、会社の方針をガラッと変えるつもりはありません。当社は3年後(2018年)、創業100年を迎えます。ミキサーであれば、日本で一番長い歴史を持つ会社であり、ここまで長く続けてこられた事実は尊重していきたいと思います。当社の経営指針は「使う身になってのミキサー作り」。これは引き続き継承していきます。会社をきちんと安定させ、その上で変えるべきことに着手していきたく思います。
――どの辺りの改善が必要?
林 前社長(林孝司会長)が日本食品機械工業会(日食工)の会長、日本製パン製菓機械工業会(JBCM)では理事、またEHEDG JAPANの代表でもあり、社外的な業務が多いため、逆に私は副社長の頃から、当社の内部をしっかり見るようにしていました。その上で感じていることは、組織を再編し、見直しが必要な部分があることです。
まずは生産体制をより強化にすること。受注した際、お客様に迷惑がかからないように迅速に対応していかなければなりません。ですが、受注に応えようにも、既存の設備ではムリをさせているところもあるため、工作機械を年1〜2台のペースで入れ替えている最中です。これを早急に完了したいと思います。
――他には?
林 社員の意識改革です。当社は毎年スローガンを決めていますが、今年のテーマは「共有化」。社員各人が持っている情報や意見などを全体で共有し、営業活動につなげていく――。ごく当たり前のことなのですが、実は当社はその点もまだまだ改善の余地があります。しかし、意識改革には時間がかかります。変わろうとするときに、軋轢が生じないわけにもいきません。代表として、そこをどう進めていくかの判断が問われているように思います。同時に我々幹部の意識改革と共有化も重要です。
――会社の今後の方向性を。
林 ミキシングという工程はあらゆるところにあります。人口減、少子高齢化などにより、国内の食品市場はこの先厳しい見通しですが、まだまだ当社が提案できる分野はあるはず。食品以外だと、医薬品や化学の分野。これらに関しては未開拓です。今後、仕様や規格など、学んでいかなければならないでしょう。同時に、食品業界に対してもミキサーの専門メーカーとして、引き続き貢献していきたく思います。ユーザーの効率改善をお手伝いするため、より技術力に磨きをかけていきます。
――日食工やJBCMでは、林社長世代の若手が責任のある立場に就いている。
林 同世代が集まると、食品機械業界の今後をどうするかで話題が尽きません。我々の世代で何とかしたいね、と意見交換しています。海外展開をしたい、しなければならないと頭では理解していても、実際どうすればいいのかがわからないのが現状。なかなか踏み出せない工業会メンバーもいます。海外の取り組みは当社も始めたばかりですから――。中小企業が多いこの業界。技術を競うところは切磋琢磨し、助け合うべきところは共に支えていきたいですね。