東京パック開幕、包装を企業成長のツールに提案

 東京国際包装展(TOKYO PACK2010)が東京ビッグサイトで5日開幕した。環境対策だけでなく、機能性を重視した包材や最先端の技術を搭載した包装機械が充実している。8日まで開催している。
 
 東館1〜3ホールは主に包装資材、東4〜6ホールは包装機械や検査装置を中心に展示しており、わかりやすい会場レイアウトとなっている。

最新のフィルムを展示
(写真は三井化学東セロのブース)

 包材関係では環境対策だけでなく、薄肉化しながらも強度を保つ機能性を重視した提案が目立つ。三井化学東セロは開発して間もない特殊フィルム「エルスマート」を紹介。従来のLL系フィルムと比較してフィルム剛性が2〜3倍高くなったという。「耐衝撃強度や引き裂き性に優れているとともに、省資源や廃棄物として処理可能なフィルムとして薄肉化や包装構成の簡素化につながる」とし、拡販に努めるという。ブースでは従来品と比較したグラフをわかりやすく掲示していた。
 出光ユニテックの「マジックトップ」は密封性と開封性という両面を合わせ持つ容器。剥離層と基材層に独自技術を施し、小さな力で簡単に開けられる仕組みにした。介護食や病院食に引き合いが強いという。バージョンアップした開発商品「マジックトップ ノッチレス」も参考出品している。「病院食が急成長しており、この容器の伸張も期待できる」という。
 フィルムとは違う側面の提案もあった。旭硝子の「アサヒガード」はフッ素系の耐油剤で加工した「耐油紙」で、他の紙との差別化を図っている。フライドチキンやフライドポテト、ピザなどの油の多い食品に実績を持つ。「油は通さないが、蒸気は通す。通気性がよく食品をふやけさせることはない」という。

 凸版印刷は大きいブースを割き、包装のトータルソリューションを紹介している。新開発した水剥離ラベル「ウェットれーる」は水に浸すと簡単にはがすことができる。ボトルだけでなく、パレットや通い箱にも活用でき、作業効率の向上と分別リサイクルの促進に期待を膨らませる。「研究を重ねて開発した粘着剤の改良により実現できた」という。
 レンゴーも大きなブースで「リテールレディ」、「省資源」、「機能性」、「特殊技術」、「使いやすさ」と区画し、それぞれの特色を活かした段ボールを数多く展示している。同社が提案している「ストアボックス」は小売店の定着棚やエンドなどに陳列されることの多い中間箱にカラフルな商品情報を記載することで「宣伝」につなげるもの。他商品との差別化に活かしてほしいという。

王子チヨダコンテナーの8角形式ブリスボックス

 王子製紙はグループの総力を挙げてブースを展開している。王子チヨダコンテナーが新開発した8角形式ブリスボックスは、従来金属缶で包装していたものを段ボール製の液体容器に変えたもの。先行導入したオイルメーカーでは工場納入効率が向上し、輸送能力が4t車で金属缶1500缶だったものが2800箱になっているという。四隅の角を強固にしているため耐久性の不安も解消している。「食品包装にも充分に対応できる。この展示会で新たな販路を開拓したい」と意気込んでいる。

 機械の展示では、ピロー包装や真空パック装置などの包装装置だけでなく、ロボットを使った自動整列装置を実演し、来場者をひき付けている。
 アンリツ産機システムイシダニッカ電測日新電子工業システムスクエアなど計測機器メーカーは金属検出器、X線検査器のバージョンアップ機を会場に持ち込み、サンプルを通して検査精度の高さを示している。
 オークラ輸送機椿本チエイン京町産業車輌などマテハン物流機器メーカーもブースに所狭しと機器・システムを設置し、効率化を図る装置を実演している。

各社とも最新の包装技術を提供している