昭和電工と連結子会社の昭和アルミニウム缶は、タイの大手飲料メーカー Carabao Group Public Company Ltd.(=カラバオ社、バンコク、サティアン セータシット会長)とアルミ缶の製造・販売を行う合弁会社を設立する。
資本金は約23億円。出資比率はカラバオ社74%、昭和アルミニウム缶24%、昭和電工2%。年産能力10億缶の缶体の生産設備を1ライン設置し、隣接するカラバオ社の充填工場に製品を供給する。来年10月の稼働をめざす。
カラバオ社はタイのエナジードリンク市場で第2位のシェアを持つ飲料メーカー。今シーズンから英国プレミアリーグのチェルシーフットボールクラブとパートナーシップ契約を結ぶなど、ブランド戦略による海外展開を進め、東南アジア諸国や英国を中心に販売を伸ばしている。
輸出用製品にはアルミ缶を使用していることから、海外事業を拡大するには、充てん能力の増強とともに、高品質なアルミ缶の安定供給体制の構築が必要と見ている。
昭和アルミニウム缶は、ベトナム・ハノイ市近郊のアルミニウム製缶メーカー ハナキャン・ジョイント・ストック・カンパニー(ハナキャン社)を2014年5月子会社化し、今年2月にはダナン市近郊に第2工場建設を決めた。同社の生産技術力と品質管理体制を導入したハナキャン社の製品は、利用者から高い評価を受け、同国での販売を順調に拡大している。
昭和電工はアルミ缶事業の成長戦略としてアジアを中心とした海外事業の拡大を志向しており、ベトナムに続く新興国市場への参入を検討してきた。カラバオ社はカンボジアなど、今後人口増加や所得水準の向上が見込まれる市場で過半を超える市場シェアを持ち、今後も事業成長が見込めることから、合弁会社を設立することにした。