大黒物流センターの作業環境を改善

 横浜冷凍(横浜市、吉川俊雄社長)は大黒物流センター(鶴見区大黒ふ頭15−1)の第4次改修工事を6月完了し、30日神事を行なった。
 貨物用エレベーターのうち4台を守谷輸送機工業製の垂直搬送機に入れ替えて作業効率を高めた。また、東亜建設工業が事務棟の事務スペースの再設計や休憩室等の美装などを手掛けた。今回のリニューアルで、顧客ニーズへの対応力を高めると共に、従業員の働きやすさを向上させた。
 吉川社長は「荷役機器を入れ替えたことで入出庫のスピードが上がり、顧客ニーズへの対応力が向上したうえ、作業量に見合った人員配置がしやすくなった。エレベーターで作業する場合、荷の送り手と受け手の2者が必要だったが、垂直搬送機は1人で対応できる」と説明した。
 事務棟にあるロッカー室やトイレ、食堂、休憩室などを明るく改装した意図については「リニューアルは必ず現場の意見を聞いて実行している。従来は薄汚い印象もあった仕事場以外の空間を今回きれいにした結果、従業員のモチベーションは上がり、応対する表情も明るくなった。これは来客者にも好印象を与えるはず。表面的には収益にならないリニューアルも、間接的にプラスを生む」と語る。

 大黒物流センターは1988年7月竣工。リニューアル工事は3年前から4回に分けて実施してきた。1次改修は2006年4月〜7月に行ない、冷却設備として東京電力が省エネ対策で推奨する氷蓄熱冷却システムを1階荷捌き低温化用に導入した。
 2次改修は2008年3〜4月に実施し、貨物用エレベーター1基を垂直搬送機に交換し、また屋上と西側外壁を防熱施工した。3次改修はNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて同年12月、庫内照明器具を省エネ型のものに交換した。2010年度には外装工事を行なうという。

 大黒物流センターは同社が関東地区で持つ拠点の中で設備能力が2番目、庫腹量は約3万3000t。通関業務から配送業務まで一貫した物流サービスを担えるのが強みで、売上げ規模は同社で一番大きい。
 保管品は原料系が多く、また、輸入品の取り扱いが六〜七割を占める。内訳は塩干水産物が一割、冷凍食品(製品)が二割、農産品が七割。入庫量、出庫量ともに1日150〜200tで順調な推移だという。

垂直搬送機を導入し荷役効率を上げた