京浜臨海部に水素活用の拠点
味の素が異業種連携に参画
味の素は旭化成やＥＮＥＯＳ、神奈川県川崎市などと連携し、大規模な水素利用の拠点づくりを京浜臨海部で進めると発表した。京浜臨海部に工場や製油所、火力発電所などを構える企業群が業種横断で連携し、水素の需要拡大と可視化、安定供給のためのサプライチェーン構築の検討を開始する。
プロジェクトにはＪＲ東日本、昭和電工、東芝エネルギーシステムズも参画する。日本国内では水素の本格利用に向けたコンソーシアムの形成が加速しているが、食品メーカーの参画は初めてとみられる。
京浜臨海部は川崎臨海部を中心にＬＮＧ（液化天然ガス）発電所や工場、空港といった大規模な需要家が集積していることに加え、港湾や既設の水素パイプライン網など、水素の受け入れ、供給に必要な社会インフラが整っている。
このため、水素の需要・供給のポテンシャルは非常に高く、大規模な拠点形成に対する期待は大きい。
2013年には川崎臨海部水素ネットワーク協議会が設立され、全国に先駆けて産官学連携の取り組みが進められている。
京浜臨海部のポテンシャルと取組のイメージ
こうした地域特性を踏まえながら、各社の環境対応の取り組みや知見を活用し、水素需要家としての視点で共同検討を進める。
具体的には�／總納�要量の推計（一定の条件下）、��関連する技術開発等の動向把握、��水素供給事業者と関連機器メーカー等、供給側企業との連携、�い修梁勝⊃總任亮�要・供給拡大に必要な事項――としている。水素の需要拡大と供給量拡大による好循環の創出をめざす。
味の素は温室効果ガス排出量を2030年度に2018年度比で50％削減し、2050年度までにカーボンニュートラルを達成することを経営目標に掲げている。京浜臨海部には川崎事業所があり、水素エネルギーの活用を選択肢の１つとして近隣企業などと連携した対応を検討するとしている。