薬剤を使用しない「防虫エンジニアリング」のラインナップを拡充

 竹中工務店は食品工場など特に害虫管理の必要性が高い施設の防虫対策として、排水系発生虫の捕獲装置「バグキーパーM」を開発した。特許出願済。
 夜行性昆虫が好む「弱い紫外線」を紫外線LEDで放射して誘引し、ファンに吸引することで、排水系発生虫を捕獲する。装置に誘引した虫を吸引ファンに吸い込み、装置内部の捕虫バッグに収集する。
 排水設備などから発生する虫の大半を占め、近年発生量が増加傾向にあるチョウバエをターゲットに、薬剤を使用することなく食品工場などで拡散を抑制する。
 同社技術研究所で行った実証実験では、一晩で約70%の捕獲率を確認した。

 製品の安全・安心に注目が集まるなかで、異物混入の原因となる建物への虫の侵入には細心の注意を要する。同社は2001年に防虫研究の専用施設を技術研究所に設置するなど、建設会社としては最も早くから施設の防虫に取り組んできた。
 これまで薬剤の使用を極力抑え、多様な防除手段を効果的に組み合わせて虫の生息数を許容できる範囲に抑え、衛生的な環境を維持するIPM(総合的病害虫管理)の見地から、人と環境に配慮した防虫技術の開発を進め、飛来虫に有効な「バグキーパー」、歩行虫に有効な「バグバンパー」を開発した。2013年にはシートシャッターに防虫機能を付加し、左右の開口部の高さに合わせたバグキーパーを内蔵した「バグシールド」を開発し、搬出入口の防虫設備を充実した。
 今回の「バグキーパーM」の開発により、これまで対策が困難であった排水系発生虫についてもラインナップを拡充する。

      設置断面イメージ