食品需給研究センターは米国商務省海洋大気庁海洋漁業局が、輸入水産物を対象としたトレーサビリティプログラムの最終規則を昨年12月公表したとこのほど発表した。
来年１月１日から米国に輸入される、対象魚種の水産物・水産加工品がこのプログラムの対象になる。
IUU（違法、無報告、無規制）漁業による水産物や不正表示された水産物が米国内に入らないよう、輸入業者に報告と記録保存を求める。
情報は、所定の方法で電子的に報告する。報告する内容は次の通り。
�ゝ�獲、生産事業者に関する情報として、漁獲した船舶の名前と旗国名。漁業許可証番号。該当時のみ船の固有番号。用いた漁具の種類。養殖施設の名前。
��漁獲、加工された水産物に関する情報として、魚種（学名／流通名、ASFIS番号）。漁獲日または期間。製品の数量・重量を含む陸揚げ時点の製品形態。天然漁獲、養殖による収獲が実施されたエリア。最初の陸揚げ地。水産物が陸揚げ、配送された先の事業者。
「どの原料ロットがどの製造ロットになったのか」という内部トレーサビリティに関わる情報は、電子的な報告を求めない。しかし、輸入業者がその記録を２年間保存し、当局の立入検査で対応できるようにすることを求めている。
この規則で、米国の当局に報告や記録保存を要求されるのは米国の輸入業者だが、日本から対象魚種の水産物・水産加工品を米国に輸出する場合、米国の輸入業者が、これらの情報の提供を日本の輸出業者、漁獲・養殖から輸出までの各事業者に求めるとみられる。
対象魚種は、アワビ（Abalone）、タイセイヨウダラ（Atlantic Cod）、マダラ（Pacific Cod）、ブルークラブ（Blue Crab）、タラバガニ（Red King Crab）、シイラ（Dolphinfish）、ハタ類（Grouper）、レッドスナッパー（Red Snapper）、ナマコ類（Sea Cucumber）、エビ類（Shrimps）、サメ類（Sharks）、メカジキ（Swordfish）、ビンナガマグロ（Albacore）、メバチマグロ（Bigeye）、カツオ（Skipjack）、キハダマグロ（Yellowfin）、クロマグロ（Bluefin）。
対象魚種であれば、養殖もの、鮮魚や冷凍品だけでなく、缶詰などの加工品も対象になる。
食品需給研究センターでは、水産物の生産、加工、流通業者に対し、この規則に伴って米国の輸入業者からトレーサビリティに関わる要請を受けている場合には、要求内容の詳細を連絡してほしいとしている。