フーデックス、幕張メッセで開幕

 アジア最大級の国際食品・飲料展「FOODEX JAPAN 2015(フーデックスジャパン)」(日本能率協会ほか飲食関連4団体が主催)が3日、千葉市の幕張メッセで開幕した。40回目の今年は、過去最大規模の83カ国・地域から、食品・飲料メーカー・商社ら約2800社が出展する。6日までの会期中、フードサービス、流通、商社などのバイヤーら7万5000名(海外から約1万名)の来場を見込んでいる。

 海外からの出展が多いのは、円安による出展料金の割安感や、「日本・アジア市場への注目の高さが海外出展を牽引しているものと思われる」(主催者)という。最も多いのはヨーロッパの29カ国だが、今回はアフリカからの出展が前回より5カ国増えて17カ国となっている。
 反対に、日本から海外に向けた情報発信も増えている。農産物・食品の輸出を2020年までに1兆円にするという政策の後押しもあり、食品・飲料の輸出を強化する企業が年々増えているのが要因。
 さらに注目を集める「ハラール市場」に関する“新”情報発信も充実している。イスラム圏での食品ビジネスは、認証制度のほかにも、まだ知られていない、知っておくべきハラールの現実がある。会場では、アウトバウンド対応(イスラム圏市場の現実)とインバウンド対応(イスラム圏からのお客様に正しい情報を提供)に焦点をあて、「ハラールの現実」を様々な形で披露している。

初日の会場の様子

 水産関係では「フィッシュマーケット」コーナーにマリン・エコラベル・ジャパン(MELジャパン)、三浦水産、エバーイノベーションジャパン、尾辰商店、つきじ鈴富グループが出展。尾辰商店は「SASHIMI JAPAN」と銘打ち、産地とユーザーを直接結ぶ「飲食店が儲かる仕組み」を披露。北海道から沖縄まで各地の漁港と連携し、長崎県の平戸エビ(ウチワエビ)や刺身で食べられる越前カレイなど、築地ではなかなか出回らないような魚を紹介。「付加価値の高いメニューを提供することで、競合店との差別化につなげてほしい」(河野竜太朗社長)。
 このほか、石巻うまいもの発信協議会(宮城県)は袋のままレンジで調理できる焼き魚、北びわこ水産(滋賀県)は「上品な脂の乗り」が自慢の「ビワマス」、かわまん商店(沖縄県)はモズクがたっぷりの飲むモズク製品「もずおくら」「もずとまと」「もずじゅれ」を紹介した。沖縄県伊是名産の太もずくを使用。デザートのゼリーを思わせるしゃれた容器で若い女性をターゲットにする。長崎県の対馬綜合商事は養殖まぐろを解体し、刺し身の試食を勧めた。クニヒロ(広島県)は独自の低温超高圧技術による鮮度抜群のカキ製品を披露している。

クニヒロは鮮度抜群のカキ製品を披露している

「中国食品飲料展」も同時開催中

 フーデックスと相互入場ができる「中国食品飲料展2015」も3日、幕張メッセ9ホールで開幕した。今年が初めての開催で、4日間で1万名の来場を予定している。
 中国のメーカーら約200社が出展し、農産・畜産・水産の素材から加工品、惣菜、シルバーフード、オーガニックフーズ、アルコール飲料などを紹介している。主催者の日本能率協会によれば「フーデックスの中国パビリオンと比べ水産品、畜産品、健康志向食品の出展が多い」という。
 出展者一覧などの最新情報は、「中国食品飲料展」(http://www.jma.or/jp/cfood/)で検索できる。