検査機器専業だからこそ “超高感度”金属検出機

 ニッカ電測は微小金属検出機「NTシリーズ」の最新機種を出品する。ベルトコンベアー式だけでなく、シュート式や液体用のパイプ式などシリーズのラインナップを拡充している。「検出感度には自信がある」と同社。微小金属も見逃さない、検査機器専業メーカーの技術力をJAPAN PACKに打ち出す。

ラインナップの拡充を続ける「NTシリーズ」

 「NTシリーズ」は特殊センサーにより微小な磁性金属異物、特に従来の金属検出機やX線異物検査装置では困難だった微小な磁性体やSUS針金(Feφ0.3mm、SUSφ0.2×2mm)の検出を可能にした、同社主力の超高感度検出機。
 磁性金属が発する微弱な磁界のみをキャッチするセンサーを搭載しているため、被検査体の包装形態(アルミ箔包材、アルミトレイを含む)、性質(温度、塩分濃度、水分量など)に左右されない。これにより、特に水分の多い生鮮食品や塩分の高い漬物、形状にバラつきのある惣菜や弁当など、従来機では困難とされていたものでも高感度を維持する。
 「従来の検出方法では食品に含まれる塩分や水分のほか、食品そのものの温度に感度が左右されてしまうため、カタログに記載されている感度に到達できないこともあった」(同社)という。
 また、X線異物検査装置は管球やセンサー部に寿命があるため、交換コストが大きな負担となるが、NTシリーズのランニングコストは従来の金属検出機と同程度という省エネ性を持つ。
 シリーズの最新機種「NT4」は従来機種に比べて中間部の感度をより強化させた。現行機種である「NT3」は通過高さを最大120mmとし、厚みのある製品を検査したいというユーザーの声に応える形で完成。検査する対象物までの距離は大きくなったものの、SUS針金の通過口の全域感度は通過高60mmまでの「NT2」とほぼ同等を維持している。
 一方、「NT4」の通過高さはおよそ80mm(ユーザーが導入するラインにより、高さはその前後まで対応できる)に設定。シリーズが追及している“限界感度”はNT3もNT4も同等だが、最新機種は高さ中間部での感度がより向上した。「金属検出の精度をより高めたい、というユーザーの要望は尽きない。その声に応える形でNT4は完成した」と説明する。

 シリーズが増えたことで、ユーザーの選択範囲がさらに広がった。NTシリーズのスタンダード機種「NT2」、嵩(かさ)高い製品を検出する場合には「NT3」、より感度重視をターゲットとした「NT4」。検査機器専業メーカーの同社だからこそできる、ユーザーの生産ラインに合った最適な提案を展開している。
 各機種のタイプも豊富に揃えている。ベルトコンベアー式のほか、連包装製品の検出に適しているシュート式、液体検出用のパイプ式など、様々なタイプの商品、生産ラインに応じることができる。

 フードエンジニアリングタイムス(FEN)2015年10月7日号掲載