野口正見の「5S活動による食品工場改善」 −25−
5S委員会の活動(3) 5S点検パトロール

 5S活動の進捗を点検していく仕組みがパトロールである。P・D・C・AのC(チェック)に当たる。5S委員会で計画を立て、各部署が5S委員と部署長の指導で実施し、その進捗をパトロール班が実際に点検する仕組みである。
 これにより、不具合が指摘され、委員会に報告、改善指示が5W1H形式で出され、A(アクション)が取られ、改善が途切れることなく進行する。
 パトロール班の委員はそれぞれ他部署を担当する。例えば、現場の生産担当が事務所を担当したりする。お互いに新鮮な感覚と好奇心で不具合を見つけ出す。「あら探し」しているようなものだが、5S活動という仕組みで実施しているので不思議といさかいは起こらなかった。
 点検の目の付けどころは、直置き、乱雑、放ったらかし、汚れ、カビ発生、施設設備破損・故障、遊休機器、不良在庫、服装の乱れなどである。これらの項目について各職場の意見を参考に委員会がチェックリストを作成し、1項目4点、25項目で100点満点とし、○✕で採点する。△はなし、妥協が生じるから。
 この点数が表彰のデータとなり、競争を生み、マンネリの予防に効果があった。またこの運動の目標数値化が実現でき、本年度は目標70点や、3年後には90点を目指そうかと活用できた。
 チェックリストは時の経過と共に進化する。項目が増加していくので点数の配分を変えていく。パトロール班は簡単に不具合を指摘出来なくなり、気付きの訓練になり、より高いレベルの改善指摘のセンスを磨くことになり進化する。
 システムはチェックが肝心、放任は崩壊を呼ぶ。