圧縮エアの漏れを確実に特定、省エネ実現
物流マテハン機器のグローバル企業、日本ハネウェル（東京都港区、藤井康社長）は圧縮エアの漏れを検知する超音波式リーク検知カメラ「サーチソニックイメージャー」を食品工場向けに提案している。
混合や噴霧、搬送、充填・包装など、食品工場のあらゆる工程で使われる圧縮エアのわずかな漏れも検知して見える化する。蒸気やガス、放電の漏えいにも対応する。このほど都内で開催された「ＦＯＯＤ展」で実演を行ったが、日本ハネウェルの担当者によれば「現場で検証してほしいとの依頼が多く寄せられた」という。
一般的に圧縮エアはコンプレッサーでつくり、配管を通して各工程に供給しているが、配管の経年劣化やメンテナンス不良などによる漏えいリスクがある。ただ、漏れたとしてもガスのように危険性がないうえ、どこから漏れているのかを確認して回る負担が大きいため、「コンプレッサーの出力を上げることで圧縮エアの圧力改善を行っている場合が多い」（担当者）という。
展示会でのデモの様子、エアの漏えい個所と量をカラーグラフで表示する（写真左）
超音波を画像で表示、漏えい個所を特定
日本ハネウェルが開発した「サーチソニックイメージャー」は光学カメラと112個の高性能マイクロフォンを内蔵している。カメラを設備や配管に向けると漏えい個所から発生する超音波域の音をマイクロフォンが検知し、独自の高速画像処理技術でカラーグラフに変換する。ディスプレイ画面に表示されたカラーグラフからは漏えい個所と漏えい量がひと目でわかる。
最大の特長は人の耳では聞き取れない超音波（20キロヘルツ以上の高周波音）だけを検知して画像表示できる機能を持つこと。工場設備の稼働音や雑音を自動で排除しながらエア漏れの音（40キロヘルツ周辺）を検知する。
検知距離は30�僉�50ｍと幅広く対応できる。本体は重さ1.2kgで寸法は幅23.7cm×高さ14.6cm×厚さ5.6cmと軽量コンパクト。専門的な知識を必要とせず、通常のカメラ感覚で使える。
「サーチソニックイメージャー」はこれまで放置されがちだった漏えい個所を特定して修繕することでコンプレッサーの負荷を軽減し、消費電力の削減に貢献できる。「省エネ対策をやり尽くした」という企業には最適のツールと言える。
「サーチソニックイメージャー」の使用イメージ、軽量コンパクトで誰でも簡単に操作できる
「サーチソニックイメージャー」の正面、光学カメラ（本体中央部）と112個のマイクロフォ
ンを搭載している