マイナス20度で切身加工に挑戦

 三友工業は−20℃の冷凍魚を加工できる切身マシーン「スーパーイタサン 匠身」の完成を急いでいる。
 −20℃に冷凍して流通している魚は、加工時に−5℃程度まで解凍しなければ、カスを出さずにカットすることができない。加工業者から「冷凍したまま魚が切れないものか」という声が多く寄せられていた。そこで同社は、世界初となる−20℃の状態でも切身加工を可能とする切身マシーンの開発に着手。「スーパーイタサン匠身(たくみ)」と名づけ、完成に向け力を注いでいる。
 テスト機を出展した昨年のフーマでの反響は、予想以上に大きかったという。特にマグロ業者からの問い合わせが多く、新たな市場の開拓にもつながりそうだ。来年の完成をめざす。
 同社はゴム射出成形機、ファクトリーオートメーション、環境保全設備、エネルギー事業、航空宇宙機器産業などの幅広い分野で、常に先進技術・新鋭設備を導入、高性能な製品と高い技術力を提供している。これらで培った技術とノウハウを多方面でも生かそうと展開しているのが、魚切身マシーン「スーパーイタサン」シリーズ。
 タッチパネルでの簡単な操作で、魚体を立体処理。重さ、長さ、幅を瞬時に計測し、大きさの異なる頭部と尾部までをほぼ均等に整えて歩留まり良くカットできる。自由に設定を変えることができ、好みの形状にカットすることも可能だ。3600枚/時と処理能力にも優れている。
 処理が可能な魚種はサケ類、メロ、カラスカレイ、マダラ、スズキ、サワラ、ブリ等。お手頃価格の「若大将」、フィレーの自動供給機「女将さん」、切身カウント装置「仲居数子さん」とユニークなネーミングでシリーズを展開している。

スーパーイタサン 匠身