酒販卸大手のカクヤスは消費者の声に応えて、冷凍食品の即日配送サービスを自社ECサイト「カクヤスネットショッピング」で東京の品川、目黒、杉並区の一部エリアを対象に試験的にこのほど開始した。冷凍食品を最短1時間で1品から送料無料で届ける。
1品おかず、おつまみ、パスタ、ピザ、パン、揚げ物など27品目の取り扱いを予定している。ラインナップは配送店舗により異なる。エリアの順次拡大も計画している。
即日配送サービスはこれまで常温品のみ取り扱っていたが、グループの明和物産の拠点を活用した配送システムとオペレーションを新たに導入することで冷凍食品も提供できるようになった。明和物産の3温度帯配送のノウハウをカクヤスの配送サービスに連携させ、グループ全体の取り扱い商品の拡大や他エリア、他サービスでの展開を多面的に検討することで拡大を実現する考え。
冷食の配達サービスは1個から送料無料で届ける
東京商工リサーチの調査によると、2020年に休廃業や解散した酒類卸売業・小売業の件数はそれぞれ109件(前年比36.2%増)、225件(同11.9%増)と過去10年間で最多だった。家飲み需要が拡大するも、業務用の落ち込みをカバーするまでには至らず、酒類卸売業では減収が7割、赤字に落ち込んだ企業が3割に広がった。
カクヤスグループは感染拡大以降、家庭向け宅配に軸足を置いている。2019年3月期(第1四半期)は売上げ構成比で業務用が71.7%を占めたが、2022年3月期(同)は46.9%に下がった一方で家庭用は51%を超えた。