マルハニチロ物流(東京都中央区豊海、河添誠吾社長)は川崎市東扇島に約3万tの冷蔵倉庫を新設する。今年12月に着工、2014年2月に完成予定。
東扇島地区の保管能力は70万tだが、マルハニチロ物流のほか、松岡、山手冷蔵、ニチレイなどが2014年までに計18万tの新設を予定しており、その時点で都道府県別の保管能力は神奈川県が東京都を抜いてトップとなる。
マルハニチロ物流は東扇島に原料の扱いを主体とした川崎第一物流センター(3万4000t)、冷凍食品・チルド製品中心の川崎第二物流センター(3万t)があり、新センターの完成で東扇島地区の庫腹能力は約10万tになる。新センターは「近年、扱いが増えてきた冷凍食品・チルド製品を主体とし、広めの荷捌きスペースを確保して機能性の高い本格的な物流センターを目指す」(河添社長)。
同社の冷蔵倉庫・物流センターは全国に37カ所、総保管能力は58万5000tあるが、38カ所目の新センターの完成で61万5000tとなる。福岡県の鳥栖物流センター以来5年ぶりの設備投資、関東地区では15年ぶりの新設。
川崎市からの借地で、敷地面積は5306坪、建築面積2319坪。鉄筋コンクリート造り5階建て、延床面積は6935坪。主体はF級だが、C級、C&F級も備える。
免震設備を施す。荷捌き室は陽圧設計で結露を防止する。全館LED照明を採用。冷凍機の冷媒は環境にやさしいアンモニア。
河添社長は「昨年12月に着工を予定していたが、東日本大震災の影響などで1年後となった。夏までに詳細な設計を完成させる。これまでは港湾地区の保管型冷蔵倉庫が中心だったが、福岡の箱崎や鳥栖など加工流通型の物流センターも立ち上げてきた。直ちに閉める施設はないが、当社も平均築年数28年、将来のスクラップに備えた新設。川崎第一・第二を含め、3カ所の物流センターを機能的・効率的に活用していきたい」と説明している。
新センターの概要を説明する河添社長(中央)ら