ノロウイルスは大きく5つのグループに分けられるが、このうちヒトに感染するのはG1とG2のグループであることが分かっている。これまではそれぞれ個別に検出しなくてはならなかったが、島津製作所はこのほど2つを同時に検出できる試薬キットを発売開始した。検体から遺伝子を抽出・精製する必要がない「アンブダイレクト」技術を用いているため、検査が飛躍的に簡単、短時間で行なえるようになった。
ノロウイルスG1&G2
検出試薬キット
商品は「ノロウイルスG1&G2検出試薬キット」。2つのウイルスグループに対応したプライマーの開発に成功したことが画期的。同社は2年前から「アンブダイレクト」技術を活用したG1、G2の検出キットをそれぞれ個別に発売していたが、新製品は2つ同時にできるため検査時間は1/2に減り、コストも2/3に抑えることができる。
昨年の食中毒患者2万4303人の47.8%がノロウイルスによるもの。特に治療方法がなく、対処療法しかないため、可能な限り早くウイルスを特定して中毒患者が発生しないように適切に対処することが求められる。このため、食品工場などでは検便など検査のニーズが高まっている。