良品データの学習だけでAIが不良品を検出

 ソフトウェア開発大手のNECソリューションイノベータはAIとカメラの画像から良品・不良品(2級品)を検出、分類するクラウドサービス「NEC AI・画像活用見える化サービス/生産管理・検査支援」を2018年から提供しているが、このほど良品画像の学習だけで検出が可能な新機能を追加した。AI画像検査の導入ハードルが下がり、食品製造現場での活用が期待できる。

 これまでは良品・不良品のそれぞれの画像データをAIに学習させる必要があったが、発生頻度が低い不良品の画像を大量に集めるのは困難だった。また、AIの学習モデルの作成や評価には専門性の高い知識が欠かせないため、ユーザー企業が自社で対応できない課題もあった。

 そこでNECソリューションは独自アルゴリズムを開発し、良品の画像データを学習するだけで良品・不良品を検出、分類できるようにした。たとえばサバの加工ラインで、サバ以外の魚種で何が混入するかを特定できず、画像をあらかじめ準備できないケースなどに活用できる。

  「NEC AI・画像活用見える化サービス/生産管理・検査支援」の利用イメージ

 学習モデルの作成については、導入オプションとして「同/学習モデル作成ツール」を無償で提供する。専門知識がなくても、ブラウザの画面上で学習モデルの作成や、評価などの動作確認、学習モデルのクラウド環境への登録が可能になる。これにより検査対象物の追加や判定条件の変更などを自社で行うことができる。

 「生産管理・検査支援」サービスの利用料は月額19万8000円(税別)から。導入費、ハードウェア費は別途必要。同社はサービスの概要や活用例を紹介するオンラインセミナーを8日開催する。下記URLから申し込む。
  https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/event/20210908.html

 「NEC AI・画像活用見える化サービス/学習モデル作成ツール」の画面イメージ