タイ工場でバイオマスボイラ導入

　味の素は調味料や核酸などを生産するタイの基幹工場（カンペンペット工場）で、もみ殻を燃料とするバイオマスボイラを導入し、既存の重油ボイラからエネルギーへの燃料転換を図る。26日に現地で竣工式を行ない、本格稼働した。
　導入したボイラは４機。１機当たりの蒸気供給能力は14.5ｔ蒸気／時間、総計58ｔ蒸気／時間。建屋面積は２万1000㎡。
　調味料や核酸を生産する際、バイオマスボイラでその原料の発酵工程で使用する蒸気を発生させる。もみ殻を燃料に採用した理由は、工場があるカンペンペット地域がタイの穀倉地帯で、大量のもみ殻を利用せず余らせているため現地で自給でき、安定供給が可能と判断したためだという。
　味の素グループの07年度のＣＯ2排出量は236万ｔで、全体の77％を海外工場からの排出量が占める。特に事業成長が見込まれる東南アジアのＣＯ2排出量の増加抑制が重要な課題となっている。今回のバイオマスボイラの導入で、グループ全体が排出するＣＯ2量の５％に相当する10万ｔを削減する。

　今後も、工場の立地や製造品目など様々な条件を考慮しながら、環境に配慮した設備の設計や導入に努める。植物資源の豊富なブラジルやベトナムでは、今回のタイのケースを参考に、現地に適したバイオマス燃料に転換を検討する。