消費者とJASを近づける
「消費者の部屋」が食品表示の特別展

 農林水産省の「消費者の部屋」は特別展示『食品表示とJAS規格』を11月24日から27日まで開催した。消費者にはJASマークの種類と意味が意外と知られておらず、来場者は展示物や担当者の話に熱心に見聞きしていた。
 会場はJASの認定を受けている食品の展示とパネルによる事業説明により構成。よく見かける「一般JASマーク」以外に、「特定JASマーク」、「有機JASマーク」、「生産情報公表JASマーク」の展示に「これだけ種類があることに驚いた」という来場者の声があった。特に「生産情報公表JASマーク」から個体識別番号が得られ、例えば牛肉ならば、どこで育ち、どんなエサを食べ、どの薬を与えられたかなど知ることができることに「生産者側の努力を消費者も意識しなければならない時代になった」と感想を話していた。
 生産者や食品メーカーと農水省表示・規格課の接点について、担当者は「JAS規格を見直す際に声が挙がる」と説明。最近ではりんごジュースに表示している特定JASマークの事例があったという。「現在は酸度0.25%以上という規定だが、近年の生産状況を考慮すると甘いリンゴが増える傾向がある。そのため、飲料加工メーカーから酸度の規定を引き下げてほしいという問い合わせがあった」という。りんごジュースの特定JAS規格の酸度については識者で組織する検討会で通れば、近いうちに引き下がることになるという。

来場者の関心が高かった