一流ホテルも愛用するブイヨン、ソース
ニチレイＦ・長崎工場、市販用冷食と味の“ベース”をこだわり生産
ニチレイフーズ（相馬義比古社長）は安全安心品質の確保を最優先とし、また、商品の品質向上、ていねいなモノづくりを進める一環として「作り過ぎない」ことを取り組み課題に掲げているが、長崎工場（長崎県大村市、大畑健一工場長）は「無理に生産数量を追わない」方針に沿って、今期は6809ｔ、41億7700万円と前期を下回る数字を計画し、その分だけ「平準化させる」（大畑工場長）ことを優先している。
大畑工場長
工場改善のためユニークな改善活動を様々取り入れて成果をあげている。
また、フードディフェンスに取り組むため、全役職員、パートを含む全従業員がＩＣタグを持ち、入退室管理の実験を始めた。
長崎工場の生産アイテムの中で、市販用冷凍食品の“お弁当にＧｏｏｄ！”「パリパリの春巻」と「えびチリくん」は、生産量の38％を占め、また、�―婀�、�▲妊供璽函↓�かき揚げの上位３品で生産量全体の72％を占めるが、一方で、ブイヨン・スープ・ソース類などを鶏ガラからていねいに作り、全国のグループ工場にベースとして供給する役割も担っている。
食品メーカー他社のブイヨンが釜にフタをした状態で煮込んで仕上げるのに対し、同社では鶏ガラと香味野菜をフタなしの状態で長時間かけて加熱し、ていねいにアクと油抜きを繰り返すことで、澄んだコクのある上質のブイヨン、スープ類を仕上げている。
このため、一流ホテル・レストランの多くのシェフから「ホテルの厨房とまったく同じ作業でていねいに仕上げている。ブイヨンが澄み通っており、味も品質も高い」と評価されている、という。ブイヨン仕込み用の釜は５台ある。
チキンブイヨンの場合、鶏ガラとセロリ、玉ねぎ、にんじんを加えて蒸気加熱する。途中で何度もアクと油抜きをし、差し水を繰り返す。仕上がったブイヨンはさらに10倍濃縮加熱をして製品包装し、出荷する。製品の品質を管理するため、ブリックスと透視度を常に検査している。
ビーフブイヨン、ビーフコンソメ等のオーダーにもこれまでの知見を生かし、対応している。中には大手ホテルで使われるデミグラスソースのベースと完成寸前の状態まで加工する仕事も行なっている。
肉600�圓塙疚Ｌ邵�100�圓鯑�れて数日間煮込みながらアクを取る
長崎工場の前期の生産実績は�―婀�＝日産45万本（構成比30％）�▲妊供璽函�20万個（24％）��かき揚げ＝12万個（18％）�ぅ魁璽鵐櫂拭璽献紂瓧僑堯�10％）�イ┘咼船蝓瓧桂�パック（８％）�Ε屮ぅ茱鵝�2.4ｔ（７％）�Д灰鵐愁瓠瓧横堯複押鵝豊┘后璽廖Ε宗璽后�0.6ｔ（１％）で、年間生産量は合わせて8161ｔ、46億6000万円の売上げだった。
この中で、コーンポタージュは同社山形工場に移設したのに加え、「無理に生産数量を追わない」（内海昌彦取締役専務執行役員生産本部長）という方針に沿って、今期の長崎工場の生産計画は6809ｔ、41億7700万円と前期を下回る数字を計画。「平準化させる」（大畑工場長）ことを優先する。
廃油の飼料用利用などの廃棄物処理を進めている。
工場内の床、通路などには長い柄付の水切りワイパーを置き、床面の水流れに気がついた人がすぐ処理する“誰でも水切り”活動などユニークな改善運動を実施し、成果を上げている。