冷食セミナーで伊藤会長、冷食の将来性を高く評価

 水産タイムズ社は「第41回春季冷食セミナー」を都内で22、23日開催した。「変わる市場・流通への対応策」を総合テーマに、各界の識者が論陣を張った。メーカー、卸、物流、研究機関、関連産業など幅広い分野の約130名が全国から集まった。

全国から130名を超える業界関係者が参加した

 メーカーから講師として参加した味の素冷凍食品の吉峯英虎社長とイートアンドの文野直樹社長は様々な展開事例やデータを示しながら冷凍食品の事業戦略と今後の方向などをわかりやすく紹介した。
 流通から講師を務めたメトロキャッシュアンドキャリージャパンの石田隆嗣社長、アークスの横山清社長は成功事例、現状の課題、今後の方向などを様々示した。
 流通経済研究所の石川友博主任研究員が語った流通市場動向と食品業界の対応については、講演後、石川氏と名刺交換を希望する参加者が長い列になったほど、高い評価があった。 
 外食「スープストックトーキョー」を展開する(株)スマイルズの我妻義一部長は店舗展開から一般消費者向け販売を強化する政策、冷凍技術を駆使した展開などを紹介した。
 農林水産省の針原寿朗食料産業局長は食品バリューチェーン構築に向けた行政の施策を数多くの図式を示し説明した。
 初日挨拶に登場した日本冷凍食品協会の伊藤雅俊会長は「最近の協会の調査で若い人の冷凍食品の利用頻度、おいしいという人、夕食での利用が増えた。私は冷凍食品が『未来の食品』と言っているが、そのための条件が3つある。1つは利用機会を増やすこと、2つめは冷凍保存が最もふさわしい分野でおいしいと言わせるために商品を磨きこむこと。3つ目は消費者に情報を伝えること。例えば冷凍食品は工場で生産するためロスが非常に少なく、エネルギー効率がとてもいい作り方をしていることなど、上手に分かってもらえれば信頼度がもっと上がる」と語った。