食品安全マネジメントシステムのA/B規格の監査会社に登録

 衛生・品質管理の総合コンサルティング企業の株式会社BMLフード・サイエンスは、食品安全マネジメントシステム(JFS)のA/B規格の監査会社としてこのほど登録された。

        本社外観

 JFSのA規格は一般的衛生管理を中心にした要求事項、B規格はA規格の要求事項に、 HACCPの要求事項をすべて含んだものとなっている。また、A規格、B規格の要求事項は、それぞれGFSIのグローバル・マーケット・プログラム加工食品版の基礎レベル、中級レベルの要求事項を含んでいる。
 GFSIは世界の消費財業界メーカー・小売企業など650社以上で組織するTCGF(The Consumer Goods Forum)が運営する非営利団体で、食品安全にかかわる認証制度について、信頼性を評価し、承認する仕組みを提供している。
 グローバル・マーケット・プログラムは小規模や発展途上の事業者が食品安全の能力を構築するためにGFSIが作成したプログラムで、最終的にはFSSCやSQFへのステップアップを目標にしている。
 同社では食品工場の監査、厨房の点検指導、微生物・理化学・腸内細菌の検査から衛生管理の仕組みづくりまで、法律・規制も含めた広い知識を持つ専門家集団としてサービスを提供しているが、工場監査のツールとして数年前からグローバル・マーケット・プログラムを使用していた。
 当時はこのプログラムを使用していたのは同社だけだったことから、JFSの運用団体である食品安全マネジメント協会が発足する前の作業チームに参加するよう農林水産省から要請があり、意見交換会、規格作成に加わっていたという。

 「グローバル・マーケット・プログラムを何年も使い、年間に数百という工場を監査している当社にとってB規格は目新しいものではなく、むしろ理解が深い」(同社)。
 しかし監査会社として登録するにあたり、監査員と判定員を選任する必要があり、そのスキルを明確にした。
 同社の場合ISO22000の審査員補を取得していること、グローバル・マーケット・プログラムを使った工場監査を規定回数以上行っていることなどを要件としている。
 グローバル・マーケット・プログラムはFSSC、SQFやJFSの最上位規格のC規格にステップアップするためのツールなのでGFSIを理解していることも求められる。同社ではGFSIジャパンが設立される以前から、毎年3〜4名をGFSIの国際会議に出席させており、監査員・判定員は全員出席経験者である。「ここが他の監査会社と違う部分だと思う」(同社)。現在は12名が登録されている。

顧客のレベル向上のためのコンサルティングが重要

 ISOなどの第三者認証に当たり通常、審査員はコンサルティングをしてはいけないことになっている。
 しかしA/B規格はさらに管理レベルが上の規格にステップアップすることが目的であるため、監査員のコンサルティングが認められている。

   監査イメージ

 監査員はコンサルティングするために専門性が要求されるので、何十、何百という工場監査の経験を積む必要がある。また、ISOの仕組み、食品の国際規格のCODEX、HACCPなどの知識も必要になる。ISOの知識がある、審査をしたことがあるだけではコンサルティングは難しい。
 同社にはISO22000の審査員補に登録している人が約60名いるが、その中から特に力量・経験ともに優れている12名を選抜して監査員、判定員として登録した。
 コンサルティングができる監査員の育成には長期にわたる計画的な教育が必要となる。そのため同社では、ISOの審査員認証を行う国際機関であるIRCAの監査を受けて、同社の教育訓練システムや監査活動自体が、IRCAの認める仕組みのものであるというお墨付きをもらい、工場監査の実務経験豊かな人員を育てている。
 同社では「取得後の有効性や実効性などを考慮に入れず、適合証明の要求事項に合っているか、いないかだけをチェックするのであれば、ある程度のスキルを持った人員でも監査は出来る。しかし当社の存在意義はお客様の品質管理を向上させることだと思っている。
 そのためにコンサルタントの力量をあげ、検査も充実し、トータルサポートできる体制を作っている。ただ単に監査して、適合証明を取った会社の数を増やせばいいのではないと思っている」とポイントを説明している。