業務用調理機器を輸入・製造販売するエフ・エム・アイ(FMI、東京都港区)は伊UNOX(ウノックス)社の新型スチームコンベクションオーブン「Speed-X」をこのほど都内で開催された国際ホテレスショーで初公開した。従来のコンビモード(熱風×スチーム)に加えてマイクロウェーブの高速照射機能を備えるなど「次世代型スチコン」(FMI)をうたう。自動洗浄機能まで搭載したスチコンは世界初という。
展示会では肉や魚、野菜を使った調理実演を行い、焼成スピードの速さに来場者からは驚きの声があがった。
庫内を熱風とスチームで満たし、食材にマイクロウェーブを照射し続けながら一気に加熱する「マルチスピードモード」が最大の特長。調理実演では重さ800gのローストチキンをじゃがいもや玉ねぎと一緒に専用トレーに載せ、庫内に投入。あらかじめ登録していたメニューを呼び出してパネルをタッチするだけで予熱と加熱調理が始まった。
重さ800gのローストチキンは通常のオーブンだと約20分を要するが、「マルチスピードモード」は8分40秒と10分もかからずに焼き上げた。続いて調理スタッフがトレーに載せたのは重さ1kgの立派な真鯛。「何分で焼き上がると思いますか?」。集まった来場者にこう問いかけてスチコンにセッティングすると、「7分」が表示された。これには周囲から「すごーい」との声があがった。担当者によれば、一般的なグリルでは20分以上はかかるというから、圧倒的な速さには舌を巻く。
UNOX社の新型スチームコンベクションオーブン「Speed-X」、調理の進捗状況を数字や
カラーモニターで示す。日本国内は今年秋の発売予定
重さ800gのローストチキン(焼成前)
焼成後のローストチキン、8分40秒で焼き上げた
「マルチスピードモード」は速さだけでなく、仕上がりの良さもセールスポイント。食材の表面はパリパリに、中はジューシーに焼き上げる。焼き色がしっかり付いており、見た目にも食欲をそそる。
操作盤は大型で見やすく、調理状況や終了時間は数字とカラーモニターで示してくれる。庫内を頻繁に確認する必要がない。誰でも簡単に同じ品質に仕上げることができる。
「次世代型スチコン」をうたう理由の1つにIoT技術の搭載がある。Wi-Fiにつないでスマホやタブレット、PCを介して水やエネルギーの使用量、調理時間など庫内の状況を監視することが可能なほか、多店舗の状況もクラウド上で一元管理することができる。
日本国内の仕様に調整する必要がまだ残っているが、「今年秋ごろまでにはリリースしたい」(担当者)。
重さ1kgの真鯛(焼成前)
焼成後の真鯛、わずか7分で焼き上げた。外はパリパリ、中はジューシーに仕上がった