次世代型物流施設の開発を見据えAIロボット活用でパートナーと協働

 プロロジスはEC物流業務代行のアッカ・インターナショナルと、「プロロジスパーク千葉ニュータウン」でロボットによる物流業務をスタートし、物流分野での次世代技術の活用に取り組む。

    導入する無人搬送ロボット

 プロロジスはロボットを導入するための施設仕様の最適化などで支援する。アッカは7月からテスト稼働を開始し、荷主であるビルケンシュトック社日本法人の賛同を得て、8月から実際の物流業務を行う。
 業務にはAI機能を持つ無人搬送ロボットを30台使用する。ロボットはステーションと呼ばれる出荷場所まで荷物を載せた棚を自動で運ぶことで、ピッキングや棚入れ作業時の人による作業量を軽減する。ロボットは中国のギークプラスが開発したもので、中国最大のECモール、アリババグループの「T−mall(天猫)」などで採用実績がある。国内の物流施設での導入は今回が初となる。

 EC事業者や物流事業者では物流施設内の労働力不足が大きな課題となっている。省人化への取り組みとして、各社が新技術の開発や導入を進めているが、有効性の検証事例は少なく、非公開のことも多い。
 プロロジスは物流現場のニーズに応える次世代の物流施設のあり方を検討しており、国内での第1弾として今回の取り組みを実施する。ロボット導入を通して、物流施設内のIoT化や、AI・ロボット活用について施設面での課題を検証し、次世代の物流オペレーションに適した施設開発の参考にする。
 また、実証実験によって得られた知見やデータを公開し、9月には荷主企業や物流事業者を対象とした見学会を計画している。
 プロロジスは「プロロジスパーク千葉ニュータウン」をはじめ運営中の施設で、カスタマーやパートナーと協働し、新技術の検証・開発プロジェクトを検討している。引き続き物流現場の業務効率化をサポートし、業界の発展をめざす。