20〜23中計で「事業構造を強化」
次の中計で大きく成長拡大する準備
味の素冷凍食品 代表取締役社長 黒崎正吉氏
味の素冷凍食品は2020〜22年度の新中計を今期スタートした。「事業構造の強化を最優先」（黒崎正吉社長）し、次の23〜25中計でより高い成長をめざす。この３年間の売上げは「ゆるやかな成長」を想定し、構造強化に取り組む。
黒崎社長
「新中計の骨格は�．潺奪轡腑鵝▲咼献腑鵝↓�基本戦略、�４靄椹兩�、�ぅ櫂ぅ鵐函↓ィ咤韮庁鵝↓�人材育成の考え方。
事業構造強化の一環として生産体制を再構築し、アセットライト（生産体制の見直し）と成長投資をバランス良く行う。
中計３年間でこれまでの中計の中で過去最高の390億円を投じる。このうち国内150億円、海外で240億円。
開発面では群馬県大泉町にあった商品開発機能を川崎に移転し、味の素グループに集約するのを機に、開発機能強化、技術交流などを促進し、例えば健康視点、アミノ酸技術の活用、減塩減糖などグループが持つ優位性、シナジーを冷凍事業に生かす。
新中計の考えを具現化するため、東日本支社・西日本支社を統合し国内統括営業部とするなど７月１日付で組織を改定した」
コロナ禍、４〜５月の利益は想定上回る
「コロナウイルスによる事業への影響について国内は４〜５月、想定以上の利益を確保しているが、海外はコロナ感染の影響が大きく厳しい。
３月はほとんど影響がなかったが、４月以降は市販用が大幅に伸び、業務用が大変苦戦しているのは同業他社と同様。しかし様々な手を打っており、４〜５月の利益は想定以上に良い数字となっている。特に厳しい業務用を支援するため、味の素と一体でサポート方法を検討し、対策を講じている。
業務用は４〜５月と大きな数字の減少があったが、６月から売りが戻り始めた手応えを感じている。完全に元に戻ることはないだろうが、新しい需要を開発し、どう取り組むかを議論している。業務用も事業構造強化は中計のテーマ。ピンチをチャンスとしたい。
市販用は５〜６月も前年を上回って推移しているが、“ものすごく伸びている”かと言えばそうではない。４〜６月の第１四半期の利益はかなりいい。４〜９月の上期も前年より上をめざすが、売上げは鈍くなるだろう」
（くろさき・まさよし）1985年味の素入社。2011年海外食品部長、15年執行役員食品事業本部副事業本部長、17年常務執行役員、ラテンアメリカ本部長、ブラジル味の素社長を兼任。2019年味の素冷凍食品社長。早大法学部卒。1960年（昭和35年）４月６日生まれ、60歳。