KRS、3温度帯配送車を500台導入
3カ年で、八木社長「物流の質追求」

 キユーソー流通システムは独自開発した3温度帯商品を積み込める4t配送車「フレキシブル車両『FCD3+1』」を、今後3カ年で500台導入する計画。同車両は業界初という縦横着脱自在の間仕切りを装備。+25℃から−20℃までの荷物に対応する画期的な仕様。冷凍食品、チルド食品、常温食品の3温度帯商品を、荷量に応じ柔軟に積み込め、同時に運ぶことができる。配送効率の向上と環境負荷の低減に大きな効果を発揮する。国内と海外で特許出願中という。

フレキシブル車両『FCD3+1』

 同社はフレキシブル車両『FCD3+1』を独自開発し、昨秋からテスト的に四国エリアで導入を始めた。ここで検証を重ねて改良を行ない、今11月期上期(昨年12月〜今年5月)に20台を、九州や北関東エリアで実践的に導入開始。気温上昇する今夏に最終検証を行なった上で、2010〜12年の中期経営計画に基づき500台の導入を図る。
 八木博社長は「今年のテーマは、仕事の質を重視する経営。人材、物流品質、設備、取り引き内容のそれぞれの質を追求していく」と語り、物流品質については特に「2010〜12年の中期経営計画において、新たな食品物流を創造する」と意気込みを示し、フレキシブル車両『FCD3+1』でその実現を図る考え。
 同社は現在、全国で1200台の配送車両を使い低温物流事業を展開している。その四割強をフレキシブル車両『FCD3+1』に切り替える。3温度帯商品を同時に積み込めるため、従来は車両2台だったものを、1台で届けられる。その結果、配送効率が向上するだけでなく、環境負荷の低減にもつながる。「量ではなく、質を追求していく」(八木社長)という考えの一環。
 フレキシブル車両『FCD3+1』はCVS向け仕様の3t車の開発・導入も検討しているという。